Microsoftの研究者らは、LLMに「心の目」を授けるプロンプト手法『Visualization-of-Thought』(VoT)を考案しました。
実験の結果、VoTによってLLMの空間推論能力(物体の位置関係や動きを理解し、推論する能力)が大幅に向上することが示されています。
参照論文情報
- タイトル:Visualization-of-Thought Elicits Spatial Reasoning in Large Language Models
- 著者:Wenshan Wu, Shaoguang Mao, Yadong Zhang, Yan Xia, Li Dong, Lei Cui, Furu Wei
- 所属:Microsoft Research
背景
LLMにおいて「空間推論」の能力についてはあまり研究が進んでいないのが現状です。空間推論とは、物体の位置関係や動きを理解し、推論する能力のことを指します。
一方で人間は、言語だけでなく、視覚情報から抽象的な表現を作り出したり、見えないものを想像したりする「心の目」と呼ばれるような認知能力を持っています。研究チームは、LLMにも同様の能力があるのではないかと考え、「Visualization-of-Thought (VoT)」と名付けた新しいプロンプティング手法を開発しました。
VoTは、LLMに推論の途中経過を可視化するよう促して追跡を可能にします。LLMは推論ステップごとに心の目でイメージを生成し、次のステップに活かすことができます。また、VoTはゼロショットプロンプティングを採用しており、外部ツールや人手の入力に頼る必要がありません。(なおゼロショットプロンプティングとは、学習済みのモデルに対して、タスクの説明だけを与えて推論させる手法です。)
実験の結果、VoTを適用することでLLMの空間推論能力が大幅に向上することが明らかになりました。
以下で詳しく紹介します。
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