GPT-4oで保険、銀行、小売りなどで人間への売り込みを実験 最大35%の確率で購買決定に成功

   

本記事では、LLMが人間を説得する力をどれほど持つのか、そしてLLMで人間を説得するために必要なチーム構成とはどんなものかについての研究を紹介します。さまざまな業界や分野における「営業」の自動化につながる可能性のある技術の探求です。

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参照論文情報

  • タイトル:Persuasion Games using Large Language Models
  • 著者:Ganesh Prasath Ramani, Shirish Karande, Santhosh V, Yash Bhatia
  • 所属:Tata Consultancy Services, IIT Palakad, IIT Madras

背景

LLMを活用したチャットボットは、ユーザーの好みを理解して商品を勧めたり、複雑な質問に答えたりできることが分かってきています。

しかし、もしユーザーに望ましい行動を取らせるとしたら、(LLMが)人間らしい応答を行うだけでは不十分です。会話全体を通してユーザーの気分や抵抗、提案への傾向を継続的に分析する必要があります。さらに、共感的な反応を示し、必要に応じて事実に基づいた反論を行うなど、「説得力」のある対話が求められます。

説得力とは何かを言語化すると、特定の目的や観点に沿って個人の信念や行動を変えるよう促す技術の能力を指します。広告や政治など、さまざまな分野で必要となるスキルです。

なお、説得を行う上では、説得される側の抵抗も深く考慮しなければいけません。抵抗のメカニズムには、過去の態度の想起や情報の露出などが関わってきます。

これまでは、例えばLLMで消費者からのクレームに対応する事例などが研究されてきました。また、LLMが道徳的な物言いで説得力のある言葉を紡ぐことができるとも明らかになっています。

本研究では、一歩踏み込んで「対話相手の行動を変えることができるかどうか」という点で検証されました。なお、説得力を高めるための複数エージェントシステムの設計も行われました。

以下でアプローチや実験結果を詳しく紹介します。

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