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LLMの推論能力を戦略的に向上させる新しいプロンプト手法『SCoT』

2024.09.11
深堀り解説

この記事では、LLMの推論能力を向上させる新しいプロンプト手法、SCoT(戦略的な思考の連鎖)について説明します。SCoTは、まず問題を解く作戦を考え、作戦をベースとして考え方の道筋を作るといった2段階からなるアプローチです。

研究グループは、さまざまな課題でSCoTがうまくいくかを試し、通常のCoTと比べて多くの課題でより良い結果が出ることを明らかにしました。

この研究は、LLMの考える力をさらに高められる可能性を示しています。難しい課題にLLMを使う際の知見になるかもしれません。

参照論文情報

  • タイトル:Strategic Chain-of-Thought: Guiding Accurate Reasoning in LLMs through Strategy Elicitation
  • 著者:Yu Wang, Shiwan Zhao, Zhihu Wang, Heyuan Huang, Ming Fan, Yubo Zhang, Zhixing Wang, Haijun Wang, Ting Liu
  • 所属:Huawei Technologies Ltd., Xi’an Jiaotong University, Nankai University, Shanghai Jiao Tong University

背景

LLMの考える力を高めるプロンプト手法としてCoT(思考の連鎖)が注目されています。CoTはLLMに考え方の手順を示すことで、難しい問題を解けるようにするアプローチです。しかし、CoTには問題点があります。同じ問題でも、解き方によって答えの正確さが変わってしまうことがあるのです。つまり中間ステップが間違っていたらその先の答えがやはり間違ってしまうという問題です。

CoTの弱点を補強するために、これまでさまざまな方法が試されてきました。例えば、複数の解き方を試して、一番信頼できる答えを選ぶ方法や、外部の知識を使って考え方を強くする方法などです。しかし、計算に時間がかかりすぎたり、専門家の知識が必要だったりするアプローチは、実際に使うのが難しいです。

そこで今回新しいプロンプト手法「SCoT(Strategic Chain-of-Thought)」が提案されました。SCoTは、「1回の指示で2つのことを行う」のがポイントのプロンプトフレームワークです。まず、問題を解くための最適な戦略を考え出し、次にその戦略を使って質の高い「考え方の道筋」を作り、最終的な答えを導き出します。

新手法SCoTの良いところは、質問を複数回行う必要はなく、外部の知識を必要とせず、1回の指示で効果的に考えられる点です。計算にかかる時間やコストを抑えつつ、LLMの推論能力を高められると期待されています。

さらに、SCoTを文脈内学習(プロンプト内に例を含んで学習させるプロンプト手法)に発展させ、最適な例を自動的に見つける方法も開発されました。実験によると、これでさらに性能が向上しています。

実験では、数学、常識、物理、空間、多段階の考え方など、さまざまな分野の8つのデータセットが使用されました。その結果、多くのモデルで大きな性能向上が確認されました。

以下でSCoTの方法論と実験結果について詳しく紹介します。

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