仮想の翻訳会社「TRANSAGENTS」に学ぶ マルチLLMエージェントによる効果的な翻訳システム

   
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本記事では、LLMを活用した新しいマルチエージェントフレームワーク「TRANSAGENTS」を紹介します。従来の翻訳出版プロセスを模倣して、複数のエージェントの協力によって翻訳を行うものです。機械翻訳(MT)の進歩が様々な分野で翻訳の質を大きく向上させたにもかかわらず、翻訳にはまだ多くの課題があり、複雑な言語表現や文化的なニュアンスが多いため翻訳が難しいという現状を背景にしています。


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参照論文情報

  • タイトル:(Perhaps) Beyond Human Translation: Harnessing Multi-Agent Collaboration for Translating Ultra-Long Literary Texts
  • 著者:Minghao Wu, Yulin Yuan, Gholamreza Haffari, Longyue Wang
  • 所属:Monash University, University of Macau, Tencent

背景

機械翻訳の性能は目覚ましく向上していますがまだ課題も多く、とりわけ文学作品の翻訳においては大きな課題が残されています。文学作品には複雑な言葉の表現や言葉遊び、比喩などが使用されており、適切に翻訳するためには言語を理解するだけでなく、創造性や解釈力が必要とされるためです。

そこで、LLMによる翻訳能力を活かしたシステムの構築に焦点が当たっています。LLMは知識や文脈の解釈に基づいた翻訳を行うこともある程度可能であるため、従来の限界を超えた翻訳が期待されています。
しかし、単一のモデルで翻訳を行うことは、その性質上、あまり効率的ではありません。実際の会社現場における高品質な翻訳におけるあらゆる役割(編集長の仕事や、その下の編集者の仕事など)を反映させるのに手間がかかってしまうためです。

そんな中、複数のエージェントが協力して問題解決にあたる「マルチエージェントシステム」が有望な手段として台頭します。LLMのマルチエージェントシステムはかなり研究が進んでおり、一つのモデルだけでは難しい複雑な問題について優れた性能を発揮することがわかってきました。
翻訳というケースにおいても、さまざまなペルソナを与えたエージェントたちが協力し、優れた性能を見せるかもしれません。

今回研究者らは、文学翻訳という難題にマルチエージェントシステムを活用する具体的なアプローチを提案しています。仮想の翻訳会社「TRANSAGENTS」を設立し、その中の複数のエージェントが協力して翻訳作業を行います。出版社の翻訳プロセスを模倣しており、文学作品の複雑さに対応することを目指しているものです。

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