大規模言語モデル(Large Language Models:LLMs)の研究が急速に進展する中、未解決の課題や有望な応用分野を特定することが困難になっています。この記事では、大規模言語モデルの現状を理解するための指針を提供する研究を紹介します。
参照論文情報
- タイトル:Challenges and Applications of Large Language Models
- 著者:Jean Kaddour, Joshua Harris, Maximilian Mozes, Herbie Bradley, Roberta Raileanu, Robert McHardy
- 所属:ケンブリッジ大学、Stability AI、Meta AIなど
- URL:https://doi.org/10.48550/arXiv.2307.10169
関連研究
- Metaが商用利用可能な大規模言語モデル「Llama 2」リリース 無料でブラウザから動かせるデモも続々登場
- ChatGPTの”ふるまいの変化”を定量的に分析した結果
- 大規模言語モデルへのプロンプト、重要な情報はどこに書く?
研究結果概要
ケンブリッジ大学、Stability AI、Meta AIなどの研究者らは、大規模言語モデルの課題と可能性を整理しました。大規模言語モデルの開発と運用には、モデルの設計、振る舞い、そして科学的な課題が含まれます。また一方で、大規模言語モデルは既に様々な分野で活用されています。
何が未解決の問題なのか?
データセットの理解が難しい
現代の事前学習データセットの規模は、個々の文書を徹底的に読んだり、品質評価を行ったりすることが非現実的なほど大きくなっています。その結果、多くのモデル開発者は、モデルが訓練されたデータについてほとんど理解していないという問題があります。モデルが予期しない結果を生み出す可能性があり、結果的には、モデルの出力がユーザーや開発者の期待に合わないかもしれません。
レスポンスの速さが十分ではない
大規模モデルは、一部のアプリケーション(例えばリアルタイム対話システム)で求められるレスポンス時間を満たすことができない場合があり、ユーザーの体験を著しく低下させる可能性があります。例えば、ユーザーがチャットボットに質問を投げかけてから答えが返ってくるまでの時間が長いと、ユーザーがストレスを感じるリスクがあります。
再現性が欠如している
大規模なモデルの訓練は、一般的に高コストであり、その結果、研究が他の研究者によって再現されることが難しくなっています。これは、科学的な進歩にとって重大な問題であり、研究結果の信頼性を損なうリスクがあります。
どのような分野で活用されているのか?
以下では、現時点ですでに優れている応用事例を紹介します。
また記事の購読には、アカウント作成後の決済が必要です。
※ログイン/初回登録後、下記ボタンを押してください。
AIDBとは
プレミアム会員(記事の購読)について
■サポートのお願い
AIDBを便利だと思っていただけた方に、任意の金額でサポートしていただけますと幸いです。