本記事では、対面カウンセリングのアクセス障壁を解消する試みとして、LLMベースの自律型カウンセリングシステムの研究を紹介します。
認知行動療法(CBT)は心理カウンセリングにおいて有効性が実証されている手法ですが、羞恥心から支援を求めることができない人々も多く存在します。そこでLLMによる自動カウンセリングが期待されています。

発表者情報
- 研究者:Ancheng Xu et al.
- 研究機関:深圳先進技術研究院, 中国科学院, 中国科学院大学, 中国科学技術大学, マカオ大学, 深圳大学, 深圳北理モスクワ大学, ハルビン工業大学
論文情報詳細は記事の下部に記載されています。
背景
心理カウンセリングで使用されることが多い手法として認知行動療法があります。人間の認知における論理的な誤り(破局的思考、レッテル貼り、肯定的な事象の過小評価など)に着目し、それらが日常生活や生活の質に与える影響を軽減することを目指す手法です。効果が実証されており広く活用されています。
一方で、対面での心理カウンセリングによる認知行動療法は、羞恥心から支援を求めることを躊躇する人々も数多く存在します。
そんな中、LLMの発展は、心理カウンセリングの自動化における期待ももたらしつつあります。
しかし、既存の自動カウンセリングシステムには、固定的な構造による自己最適化能力の限界や、パターン化された応答による表面的なアドバイスに留まるといった課題が指摘されています。
そこで今回研究者たちは、状況に応じて柔軟に対応し、自律型マルチエージェントシステムを開発しました。利用者の考え方のクセや偏りを見つけて分析し、より質の高い心理カウンセリングを目指す試みです。
以下で詳しく紹介します。
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