本記事では、LLMに対するプロンプト設計手法をソフトウェア開発タスクに適用して検証した研究を紹介します。
「どんな書き方をすれば精度が上がるのか」「どの手法がタスクに合っているのか」といった問いに、実験結果をもとに一定の方向性が示されています。
コード生成やバグ修正など、実務で頻出する10種類のタスクを対象に、代表的な14のプロンプト設計手法が一斉に比較されています。
LLMを使った開発支援に関心のある方にとって、設計の工夫がどこまで効果を左右するのかを見極めるうえで参考になる内容です。

背景
ソフトウェア開発の現場では、言わずもがなLLMの活用が進んでいます。
たとえば、コードの生成や翻訳、バグ修正、コミットメッセージの生成などが作業の代表例です。プロンプトを与えるだけでこうした処理が半自動的に可能になることから、実装の省力化や品質向上の手段として関心を集めています。
ただし、おそらくほとんどの人が意外な壁に直面します。どのようにプロンプトを構築するかによって、出力の質が大きく変わることがあるという壁です。言い回しの違いが、生成されるコードの正確性や可読性、修正提案の有効性にまで影響するのです。
そこで注目されているのが、こうしたソフトウェアタスクに特化したプロンプトの設計手法そのものの見直しです。
これまで、広範なタスクにおいては、LLMの出力をより良く導くための工夫は数多く提案されてきました。しかし実際のところ、どの手法がどのタスクに有効なのか、網羅的には整理されていません。そのため、エンジニアが現場でLLMを使う際に一般的なプロンプト手法を勉強しても「どれが自分の目的に合っているのか」見えづらい状況です。
さらに言えば、LLMの実行には相応のリソースがかかります。商用APIを使う場合、推論のたびにコストが発生します。プロンプトを少し工夫しただけなのに、トークン数が増えて料金が跳ね上がる、といった事態も起こりかねません。性能を上げることと、計算資源を抑えることのバランスは、多くの実務者にとって悩ましいテーマです。
こうした状況をふまえて、本記事では論文をもとにソフトウェアエンジニアリングにおけるプロンプト設計について体系的な実験結果をお伝えします。プロンプト設計の手法を10種類のソフトウェア開発タスクに適用し、その効果を横断的に評価するという取り組みが行われています。これをもとに、目の前のソフトウェアタスクに対してどのようなプロンプトが適当なのか検討する材料にしていただければ幸いです。
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