
会社の隅々までAIが行き渡り始めています。メールの下書きは数秒で出てきます。長い資料の要約も一瞬です。日報も議事録も、以前よりずっと速く片づきます。それでも1年後、会社の姿はほとんど変わっていないかもしれません。組織図も、承認の流れも、会議の数も、以前のまま残っているからです。
たとえば、ある企画担当者の1日を考えてみます。AIが提案書のたたき台を数分で仕上げます。ところが、その提案書はこれまで通り、上長の承認を3日待つことになります。下書きは速くなったのに、意思決定の詰まりは消えていません。ボトルネックが少し先へ移動しただけです。
この「速くなったのに、会社は変わらない」という感覚は、AI活用がまだ手前の段階にとどまっていることから生まれます。業務やビジネスそのものが作り替わるのは、もう少し先の段階です。本記事では、AI活用を「拡張」「自動化」「再構築」の3段階で捉え、本当の変化が起きる段階へ進むために何が必要なのかを整理します。