本記事では、816名の研究者を対象とした大規模調査から明らかになった「研究活動におけるLLM活用の現状と課題」を紹介します。
研究効率の向上や新しいアイデアの創出が期待されるLLMですが、誤情報の生成や研究の透明性への影響など、様々な懸念も指摘されています。
そこで今回、研究者の属性(国籍、言語、経験年数、分野、性別など)による認識の違いに注目し、LLM活用における公平性の問題にも焦点を当てた調査が行われました。
発表者情報
- 研究者:Zhehui Liao, et al.
- 研究機関:ワシントン大学, 人工知能パイオニアセンター(Pioneer Centre for Artificial Intelligence), コペンハーゲン大学, プリンストン大学, アレン人工知能研究所
背景
研究者らは長年、「膨大な知識を整理して効率的に活用できるツール」を夢見てきました。LLMの登場により、この夢の実現に近づきつつあります。実際、ChatGPTなどのツールの普及により、多くの研究者がすでに研究活動にLLMを取り入れ始めています。
しかし、LLMの活用には研究効率の向上や新しいアイデアの創出といった利点が期待される一方でいくつかの懸念も指摘されています。例えば、誤った情報の生成や引用、研究の透明性や再現性への影響、盗作やデータ捏造のリスク、研究者の本質的なスキル低下の可能性などです。
これまで、特定分野に限定した調査や小規模なインタビューなどによって、”研究でのLLM活用”が調査されてきました。
そこで今回研究者らは、幅広い分野・背景を持つ816名の研究者を対象とした、より網羅的な調査で、以下の点を明らかにすることを目指しました。
- 研究者によるLLMの具体的な使用方法
- 研究者の背景(分野、経験など)とLLM利用の関係
- LLMの利点とリスクに対する研究者の認識
- 商用/非営利のLLMに対する研究者の好み
研究者の属性(国籍、言語、経験年数、分野、性別など)による認識の違いに注目し、LLM活用における公平性や課題について検討しているのが本研究の大きな特徴です。
以下で詳しく見ていきましょう。
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