次回の更新記事:企業実務タスクにおけるLLMエージェントの能力を評価…(公開予定日:2024年12月23日)

LLMの開発トレンドに新たに見出された『密度化の法則』および『能力密度』の概念

   

本記事では、LLMにおける新しい評価指標「能力密度」について紹介します。

LLMの性能向上には巨大なパラメータ数が必要とされてきましたが、その規模拡大に伴う課題が深刻化しています。

このような背景から、研究者たちは高性能化と効率化を両立させる新たな指標として能力密度に注目し、その測定方法と進化の法則性を明らかにしました。

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発表者情報

  • 研究者:Chaojun Xiao et al.
  • 研究機関:Tsinghua University, ModelBest Inc.

背景

LLMは、その規模が大きくなるほど性能が向上することが知られています。この性能向上は、LLMの「スケーリング則」と呼ばれており、モデルのパラメータ数と学習データ量の増加が性能向上につながることが明らかになっています。この発見を背景に膨大なパラメータ数を持つLLMが開発され、様々な分野で目覚ましい成果を上げてきました。

しかし、より高性能なLLMを追求する一方で、その巨大な規模が課題として浮上してきました。 また、LLMのトレーニングや推論にかかるコストが膨大になり、その運用が困難になるという問題が発生しています。

さらに、LLMの活用範囲が拡大するにつれて、推論の効率化が喫緊の課題となっています。もはや推論にかかるコストがトレーニングコストを上回り、実用的なアプリケーションにおけるボトルネックとなっています。
さらに最近では、スマートフォンなどの処理能力の限られたデバイスにLLMを搭載してパーソナルアシスタントとして活用する動きが活発化しており、よりコンパクトで効率的なモデルが求められています。
また、複雑な推論タスクにおいて、LLMが推論段階でより多くの思考時間を必要とすることが明らかになっており、効率的な推論の重要性がさらに高まっています。

以上の課題を解決するために、パラメータ数を抑えながらも効率的なLLMの開発が進められています。

このように、LLM開発は、高性能化と効率化という、一見相反する方向へと進んでいます。この状況を受けて、異なる規模のLLMの品質をどのように評価すべきか、そしてLLMの効率性向上に関する法則性はあるのかという疑問が持ち上がっています。

これらの疑問に対する答えを探るべく、研究者たちは、LLMの”能力密度”という新しい概念に着目し始めました。

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