時系列データをグラフにしてLLMに見せると文字だけより最大120%性能向上 トークンも節約

   

本記事では、時系列データをLLMで分析する手法の調査研究を紹介します。

現在、世の中にある大量の時系列データは活用しきれていないという課題があり、さまざまな研究者らが効率的な分析手法を模索しています。

これまでに考えられてきたLLMベースの手法は追加学習や専門知識が必要でしたが、今回、モデルの視覚を利用するというシンプルなアプローチの効果が確認されています。

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参照論文情報

  • タイトル:Plots Unlock Time-Series Understanding in Multimodal Models
  • 著者:Mayank Daswani, Mathias M.J. Bellaiche, Marc Wilson, Desislav Ivanov, Mikhail Papkov, Eva Schnider, Jing Tang, Kay Lamerigts, Gabriela Botea, Michael A. Sanchez, Yojan Patel, Shruthi Prabhakara, Shravya Shetty, Umesh Telang
  • 所属:Google

背景

LLMはマルチモーダル化が進み、テキスト以外のデータも扱えるようになったものの、時系列データの分析にはまだ十分に活用されていない状況にあります。時系列データは、例えばヘルスケアや金融、社会科学分野において大量に存在する多次元のデータです。

以前より、LLMで時系列データを扱うためのいくつかのアプローチが提案されてきました。その中でテキストのみのLLMでも予測タスクで良好な性能を示すことは実証されてきました。しかし、以下のような課題も認識されてきたのです。

  1. 追加のデータ、計算リソース、専門知識が必要
  2. 既存のアプローチは特定のタスク向けに最適化されており、汎用性に欠ける

ここで、実はLLMのデータ処理プロセスは人間のアプローチに似ていることが次の解決策へのヒントになりました。LLMもまた、可視化された情報を確認し、その後で統計分析を行うことで洞察を得るというプロセスを取るのが一般的のようです。

このような背景から、Googleの研究チームによって、マルチモーダルLLMで時系列データをプロットとして「見る」というシンプルかつ効果的な手法が提案されるに至りました。追加のモデル訓練を必要とせずに時系列データの分析がスムーズに実行できる可能性を秘めています。

どのようなタスクで検証され、どれほどの成果が得られたのか、以下で紹介していきます。

研究の進め方

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