次回の更新記事:LLMがまだできないこと、苦手なこと 最新研究から読…(公開予定日:2026年02月07日)
「論文データベース(β版)」公開しました!新着論文を日本語で検索できます。ぜひご活用ください。 見てみる

100ドル前後のシングルボードコンピュータでLLMは実用的に動くのか 3機種25モデルの検証結果

2025.11.20
深堀り解説

本記事では、Raspberry Pi 4、Raspberry Pi 5、Orange Pi 5 Proという3種類のシングルボードコンピュータ上で、25種類のLLMがどの程度実用的に動作するのかを検証した事例を紹介します。

これまで、100ドル前後の小型デバイスでLLMを動かすことの理論的な可能性は語られてきました。しかし実際には、どのサイズのモデルがどのハードウェアで実用レベルに達するのか、消費電力やメモリ使用量はどうなるのか、といった具体的なデータが不足していました。

実験の結果、実務に直結する知見が明らかになりました。

背景

LLMの精度や効率が向上する一方で、実際の導入ではいくつかの課題が明らかになっています。多くの企業がクラウドベースのLLMサービスを使っていますが、そこには制約があります。まず、通信の必要があるため応答に時間がかかり、リアルタイム性が求められる場面では不利になります。次に、機密データをクラウドに送信することへの不安が根強くあります。そして最大の問題は、使えば使うほど料金が増える「トークン課金」の仕組みです。

こうした課題から、LLMをクラウドではなく手元のデバイスで動かす「オンデバイス推論」が注目されています。しかし、これにも課題があります。LLMの推論は非常に負荷が高く、一般的なパソコンやスマートフォンでは、ほかのアプリと同時に動かすには処理能力やメモリが不足しがちです。

そこで注目されるのが、シングルボードコンピュータ(SBC)という選択肢です。SBCとは、クレジットカードほどのサイズにCPUやGPU、メモリなどを備えた小型コンピュータのことです。Raspberry Piに代表されるこれらのデバイスは、IoTや組み込みシステム、ロボット工学など幅広い用途で使われてきました。価格は100ドル以下と手頃で、オープンソースの開発も活発です。

中小企業にとっては、このシングルボードコンピュータが現実的な選択肢となりえます。大企業のように大規模なクラウドインフラを構築するのは難しくても、要約や質問応答、テキスト分類など、目的を絞ったLLMであれば、シングルボードコンピュータでも十分な性能が期待できます。ローカルで動かせるためプライバシーも守りやすく、インフラコストも抑えられます。

本記事は、こうした実用的なニーズを踏まえて、100ドル前後の低コストなハードウェアでLLMがどの程度使えるのかを検証した事例を取り上げます。複数のシングルボードコンピュータを使い、さまざまなLLMアーキテクチャと要約タスク用のプロンプトを組み合わせて性能を測定し、企業がシングルボードコンピュータを使ってLLMを活用する際の現実的な道筋を探っています。

プレミアム会員限定コンテンツです

無料会員でもできること

  • 一部記事の閲覧
  • 研究紹介短信ライブラリの基本機能
  • プロンプト管理ツールの利用

プレミアム会員の特典

  • 全過去記事の無制限閲覧
  • 専門家による最新リサーチ結果を記事で購読(平日毎日更新)
  • 日本語検索対応の新着AI論文データベース
  • 研究紹介短信ライブラリの高度な機能を開放
  • 記事内容質問AIを使用可能に
  • プロンプト管理ツールの無制限使用

記事検索

年/月/日
年/月/日

関連記事