商用LLMのAPI利用とオープンソースLLMのオンプレ運用の損益分岐を、ハード・電力・性能から考える
LLMを業務に取り入れるとき、「クラウドサービスを使うか、自社で動かすか」は多くの企業で悩まれるところです。クラウドはすぐに使えて便利ですが、使えば使うほどコストが気になることも。一方、オンプレミスなら自由度は高まりますが、初期費用や管理の手間が出てきます。
実際のところ、どちらがお得なのでしょうか。
本記事では、商用LLMのAPI利用と、オープンソースLLMを使ったオンプレ運用について、ハードウェア・電気代・性能の3つの観点から比べてみます。
損益分岐点がどこにあるのかを数値で見ていくことで、クラウドとローカル、それぞれの選びどきが見えてきます。どんな企業にどの選択が向いているか、判断のヒントになれば幸いです。

背景
LLMの活用を進める中で、多くの企業や組織が「クラウドサービスを使うか、オンプレミスで自社運用するか」という判断を迫られています。
クラウド型のサービスは、最新のモデルにすぐアクセスでき、スケーラビリティにも優れています。ウェブUI版だけでなくAPI経由でも導入できるため、複雑な設定も必要ありません。
ただし、クラウドにはいくつかの課題もあります。大規模に使うほどコストが増えやすく、またプライバシーや規制対応の不安も残ります。サービス提供元を変更しにくい点も、導入のハードルになる場合があります。業界によっては、これらの懸念が導入のネックになるケースが多く見られます。
一方で、自社インフラでの運用も現実的な選択肢になりつつあります。オープンソースのモデルが進化し、計算リソースや推論の最適化技術も整ってきました。組み合わせ次第では、クラウドよりコストを抑えられる可能性も出てきています。
とはいえ、クラウドとローカルのどちらが本当に効率的なのかを定量的に比べないことには結論が出せません。どこに損益分岐点があるのかを見極める必要があります。
そこで本記事では、自社運用を前提としたLLM導入について、コスト面から体系的に分析する取り組みを紹介します。
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