本記事では、LLMエージェントの評価方法に関する研究を紹介します。
LLMエージェントとは、複雑なタスクを自律的に遂行するシステムを指しています。その特性から、LLMエージェントの評価にはLLMの評価とは異なる課題があります。
研究者らは、現在の評価手法の問題点を指摘し、LLMエージェントの能力をより正確に測定するための方法論を提示しています。
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参照論文情報
- タイトル:AI Agents That Matter
- 著者:Sayash Kapoor, Benedikt Stroebl, Zachary S. Siegel, Nitya Nadgir, Arvind Narayanan
- 所属:Princeton University
背景
近年、LLMエージェントと呼ばれる「LLMを基盤とした複合的なAIシステム」が注目を集めています。LLM単体よりも高度なタスクをこなすことがその特徴です。例えば、コマンドラインの操作やウェブ上での複雑な作業など、より実践的な課題に取り組めると期待されています。
そんなLLMエージェントの性能を評価するため、様々なベンチマーク(性能評価基準)が開発されてきました。プログラミングやウェブ操作など、多岐にわたる分野でのエージェントの能力を測定します。しかし、既存のベンチマークには以下のような問題点があることが分かってきました。
- 多くのベンチマークが正確さのみを重視し、計算コストや効率性を考慮していない
- モデル開発者(研究者)向けの評価基準と、実際のユーザー向けの評価基準が明確に区別されていない
- 多くのベンチマークでは、適切なテストデータ(ホールドアウトセット)が用意されていない
- 評価方法が統一されていないため、研究結果の再現が困難になっている
実際の使用場面で役立つLLMエージェントの開発を進めるには、上記の課題をクリアする必要があります。
そこで今回研究者らは、解決策を提示しています。以下で詳しく説明します。
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