大規模言語モデルへのプロンプト、重要な情報はどこに書く?

   
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この記事では、スタンフォード大学などの研究グループが発表した新たな研究について詳しく解説します。この研究は、大規模言語モデルがどのように長いコンテキストを利用するかについての重要な洞察を提供しています。
大事な結論から言えば、大規模言語モデルに対するプロンプトでは、重要なことは最初か最後に書きましょう。

参照論文情報

  • タイトル:Lost in the Middle: How Language Models Use Long Contexts
  • 著者:Nelson F. Liu, Kevin Lin, John Hewitt, Ashwin Paranjape, Michele Bevilacqua, Fabio Petroni, Percy Liang
  • 所属:スタンフォード大、カリフォルニア大など
  • URL:https://doi.org/10.48550/arXiv.2307.03172


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関連研究

大規模言語モデルとその挑戦

大規模言語モデルの台頭

近年、自然言語処理NLP)の分野では、大規模言語モデル(LLM)の登場により、そのパフォーマンスが飛躍的に向上しています。LLMは、人間が書いたテキストを学習し、新たなテキストを生成したり、質問に答えたりする能力を持っています。その結果、人間と同じように自然言語を理解し、それに基づいて行動するAIの実現が期待されています。

長いコンテキストの扱いという課題

しかし、これらのモデルがどのように長いコンテキストを利用するかについては、まだ完全には理解されていません。特に、重要な情報が長いコンテキストの中間にある場合、その情報を適切に取り扱うことが難しいという問題が指摘されています。

この研究の意義

この問題を解決するためには、まず大規模言語モデルが長いコンテキストをどのように利用するかを詳しく調査し、そのメカニズムを理解することが必要です。その結果を基に、モデルの利用方法を最適化するための洞察を得ることができます。このような背景から、本研究は大規模言語モデルのコンテキスト利用に関する重要な洞察を提供することを目指しています。

大規模言語モデルのコンテキスト理解を探る

LLMのコンテキスト利用の最適化

本研究の主な目的は、大規模言語モデル(LLM)が長いコンテキストをどのように利用するかを詳しく調査し、その結果を基にモデルの利用方法を最適化するための洞察を提供することです。LLMがコンテキストをどの程度理解し、それをどのように利用するかを理解することで、モデルのパフォーマンスを向上させるための新たな手法やアプローチを開発することが可能になります。

マルチドキュメントの質問応答とキー値の取得

具体的には、この研究では、マルチドキュメントの質問応答とキー値の取得という2つのタスクを用いて、言語モデルが入力コンテキスト内の関連情報をどの程度特定できるかを分析しています。

マルチドキュメントの質問応答タスクでは、モデルに複数の文書と一連の質問を提示し、それらの文書から必要な情報を抽出して質問に答える能力を評価します。一方、キー値の取得タスクでは、モデルに一連のキーと値のペアを提示し、特定のキーに対応する値を正確に取得できるかを評価します。

これらのタスクを通じて、LLMが長いコンテキストから必要な情報をどの程度効果的に抽出できるか、また、その際にどの部分の情報を重視するかという点について理解を深めることができます。

大規模言語モデルのコンテキスト理解の特性

LLMのコンテキスト利用の傾向

研究の結果、大規模言語モデル(LLM)は入力の最初と最後に近い情報をより重視し、それに対して中間部分の情報はあまり重視しない傾向があることが明らかになりました。これは、LLMが長いコンテキストを処理する際の特性を示しており、重要な情報が長いコンテキストの中間にあるときには、モデルのパフォーマンスが大幅に低下する可能性があるということを示唆しています。

言語モデルが長いコンテキストをどのように利用するかを示す図。言語モデルが入力の最初と最後に近い情報をより重視し、それに対して中間部分の情報はあまり重視しない傾向があることを視覚的に表現しています。





さらに、入力コンテキストが長くなると、パフォーマンスは大幅に低下します。これらの結果は、現在の言語モデルが長いコンテキストを効果的に利用する能力には限界があることを示しています。

LLMとのインタラクションの最適化

この結果は、言語モデルの利用者がモデルとのインタラクションを最適化するための重要な洞察を提供します。具体的には、重要な情報を文の最初や最後に配置することで、モデルがそれをより効果的に利用できる可能性があるということです。これは、LLMを使用する際のプロンプトの設計や、モデルの出力の解釈に役立つ情報となります。

LLMの利用方法の改善

この研究の結果は、LLMの利用方法を改善し、そのパフォーマンスを最大限に引き出すための新たなアプローチを提供します。特に、長いコンテキストを用いるタスクや、重要な情報がコンテキストの中間にある場合には、この研究の結果を考慮に入れることで、より良い結果を得ることが可能になるでしょう。

この研究に基づくプロンプトの改善例

改善前:

私は昨日、友人と一緒に映画を見に行きました。その映画はとても面白かったです。特に、最後のシーンはとても感動的でした。その映画の名前は「インセプション」でした。その映画のレビューを教えてください。

改善後:

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