最終更新日:2020/10/12
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製造途中でも不良を予知!
日本の新明工業株式会社は、不良が発生する前に不良発生の予知を行うことができるシステムで特許出願しました。
背景
従来の画像認識の方法は、パターン認識による完成品の誤検出や組間違いの検出を完成品の画像を基に行っていました。具体的には、製品の完成品の画像データを、製造ラインの最終工程で出来上がった製品と比較して良否判定を行うといった具合です。
しかし、従来の画像検査方法ではすでに出来上がったものを検査しているため、製造工程中のどこかで組付け間違い等が発生しても、最終検査工程までは良否判定が行えません。
さらに、組み付けが完了していると元に戻せず、不良品が廃棄となり材料の無駄な消費や、処分費などの余分なコストがかかるという問題がありました。
そこで新明工業株式会社は、不良が発生する前に不良の発生を予知するシステムを発明しました。
テクノロジー
このシステムは、まず監視対象を撮影して記録し、そのデータを情報処理装置の人工知能の学習に使用します。人工知能は、問題を起こさない通常状態の映像と、不良が発生する不良発生状態を学習します。
そして、製造工程において監視対象を撮影し、問題が発生しない通常状態および不良が発生する不良発生状態を学習する人工知能が搭載された情報処理装置と、この人工知能によって学習した不良発生状態を示す映像を判別することで不良発生を予知します。
注目ポイント
製造工程の途中で不良を予知できれば、無駄な材料の消費がなくなります。
現場の熟練技術者の経験と、このような技術の出力結果を照らし合わせて、実務に耐えうる性能のシステムを作り上げていく必要があるでしょう。
特許の詳細:不良予知システム
出願元:新明工業株式会社 公開日:2020年10月1日)
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