最終更新日:2019/10/31
健康の社会的決定要因(SDH)の分析で糖尿病のリスク管理
人々が居住する場所は、健康の社会的決定要因(SDH)(※1)の分析結果に総合的な影響を及ぼしうる。
新しい研究によると、ある場所に固有の、つまり「地域レベル」のSDHのうち、糖尿病を管理できなくなる危険性がある患者の綿密なモニタリングを必要とする要因はどれかということが、機械学習によって分かるという。
機械学習による分析は90%の高精度
調査結果を発表している研究は、アメリカ公衆衛生協会 ‘Medical Care’ の8月版で行われている。
スタンフォード大・ハーバード大のSanjay Basu博士率いる研究チームは、100万人以上の2型糖尿病患者の請求データを分析した。
このデータからリスク予測を導き出すため、彼らは標準的なロジスティック回帰モデルと、比較のために数パターンの機械学習モデルを適用した。
ロジスティック回帰モデルは、感度25.6%、精度68%と、上手く機能しなかった。 一方、最も高感度・高精度の機械学習モデルでは、感度68.5%、精度90.6%であった。
糖尿病予防にAIが活躍する未来
研究グループはさらに、SDH変数のみで制御不可能である糖尿病の変動の16.9%を説明できることを明らかにした。
「機械学習アプローチによって開発された予測モデルを使用すれば、医療現場で、糖尿病を予測するためにどの地域レベルのSDHデータを監視すれば良いか特定できるかもしれません。リスク調整およびターゲティングの分野で活用できる可能性があります」と著者は締めくくった。
(※1)健康の社会的決定要因(SDH)…人の健康状態を規定する経済的・社会的条件
原文
Algorithm for managing diabetes 90% accurate at risk prediction
July 11, 2019 | Dave Pearson | Diagnosticshttps://www.aiin.healthcare/topics/diagnostics/algorithm-managing-diabetes-tops-90-accuracy
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