本記事では、Googleが開発したゲーム生成システム「UNBOUNDED」を紹介します。本システムはLLMと画像生成モデルを組み合わせることで、プレイヤーとシステムが共に物語を紡いでいくという新しいゲーム体験を目指しており意欲的な試みと言えます。
参照論文情報
- タイトル:Unbounded: A Generative Infinite Game of Character Life Simulation
- 著者:Jialu Li, Yuanzhen Li, Neal Wadhwa, Yael Pritch, David E. Jacobs, Michael Rubinstein, Mohit Bansal, Nataniel Ruiz
- 所属:Google, The University of North Carolina at Chapel Hill
背景
これまでのゲームには言うなれば限界がありました。取れる行動があらかじめ決められており、ゲームの終わり方も固定されていました。また、画面に表示されるグラフィックスも、事前に用意されたものしか使用できませんでした。
しかし近年、AI技術が飛躍的に進歩し、ゲームの可能性が大きく広がってきました。中でも重要なのがLLMの進化です。LLMによってゲームの進行をリアルタイムで生成できるようになり、キャラクターとの自然な対話が可能になりました。さらにプレイヤーの行動に応じて、柔軟にストーリーを展開できるようになりました。
また、画像生成AIの進化も重要な要素です。ゲーム中の画像をその場で生成でき、キャラクターや背景を自由に作り出すことが可能になりました。
このような技術革新を活かして、今回Googleなどの研究チームは「UNBOUNDED」という新しいタイプのゲームを開発しました。プレイヤーが自由にキャラクターを作成でき、そのキャラクターと自然な会話で交流することができるシステムです。キャラクターの行動や物語は自由に展開し、約1秒という速さで新しい画像が生成されます。
従来の「決められたレールの上を進む」ようなゲームから、大きく一歩を踏み出すものです。プレイヤーとAIが共に物語を紡いでいくという、まったく新しいタイプのゲーム体験を目指しています。たとえばデジタルペットゲーム(たまごっち等)やシミュレーションゲーム(シムズ等)の魅力を継承しながら、テーブルトークRPGのような自由度の高い物語展開を実現しようとしている意欲的な試みです。
以下で詳しく見ていきましょう。
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