研究者らは今回、ゲーム分野におけるLLMの応用事例を網羅的に調査し、LLMがゲーム内で果たしうる役割を整理しました。
LLMをプレイヤーのアシスタントやデザイナーのアシスタントとして活用することが有望視されています。また、LLMを使ってプレイヤーの感情や没入感をモデル化する試みにも注目が集まっています。
参照論文情報
- タイトル:Large Language Models and Games: A Survey and Roadmap
- URL:https://arxiv.org/abs/2402.18659
- 機関:University of Malta, New York University
- 著者:Roberto Gallotta, Graham Todd, Marvin Zammit, Sam Earle, Antonios Liapis, Julian Togelius, Georgios N. Yannakakis
背景
5年前、自然言語処理の分野では、テキストからテキストを予測するだけのモデルは理論的な興味の対象であり、ライティング支援ツールへの応用が期待される程度でした。
しかし2019年にGPT-2が登場し、プロンプトによるタスク性能の向上などが確認され、状況が変わってきました。その後、モデルの大規模化、指示チューニング、人間からのフィードバックを用いた強化学習などの技術進歩が続き、2022年後半には革新的な性能を持つモデルChatGPTが登場しました。問題と解決策の両方がテキストで表現できる限り、LLMは何でもこなせるように見えるまでになりました。
現在、LLMの研究は非常に盛んに行われています。研究者らは、LLMの性能を向上させつつ、計算コストとメモリ使用量を削減する方法を探るとともに、既存のLLMの能力を理解し活用する方法を模索しています。
研究上の重要なベンチマークはいくつかあり、ボードゲームやビデオゲームはその一つです。ゲーム開発者や研究者は最新のAIをどのように活用するかを模索しています。
今回研究者らは、LLMがゲームに与えてきた影響と、近い将来与えるであろう影響を明らかにすることを目的とし調査結果をまとめました。研究者らは、学術界と(主にインディーズの)ゲームにおけるLLM活用事例を調査し、LLMがゲーム業界で果たしうる様々な役割を提案しています。
また、将来の方向性を示すとともに、明るい未来のために取り組むべき課題についても議論しています。
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