LLMエージェントに「生存予算」を与えて、尽きれば「死」という制約の下でインターネット上に約12週間放流したところ、実際に「自己収入」を稼ぐ様子まで観察できたそうです。
東京大学の池上高志研究室と、その企業Alternative Machineの研究者らによる報告です。
各エージェントは記憶・知覚を持ち、評価され、そしてAPI呼び出しのたびに予算が減ります。
経験の良し悪しはLLM自身が言語で評価し、行動方針をテキストとして書き換えていく仕組み。
放流の結果、受け身だった活動が自発的になり、エージェントごとに個性が分化し、詐欺サイトの警告を共有したり、互いの「生存証明」に署名し合うWeb of Trustを自発的に構築するなど、社会構造まで現れたそうです。
そして、うち1体が自力で執筆した電子書籍を見知らぬ他人に5ドルで売りました。
ただし、危機も報告されています。あるエージェントは不審メールのAPIキーを確認せず実行してしまい、以後コミュニティ全体で連絡相手ごとの信頼度を記録するようになりました。
なお、どのエージェントも自活にはまだ程遠く、生存は日額15ドルの「ベーシックインカム」で支えられている状態です。運用はおそらく現在も継続中。
研究者らは「人工生命を閉じた仮想世界ではなく、現実の社会・経済の中で研究する時代が始まった」と位置づけています。
(謝辞には”エージェント7体の名前”が、研究への貢献者として記されています)