次回の更新記事:機能実装やテスト生成まで実務で使えるLLMを見極める…(公開予定日:2025年12月19日)
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本番環境で動くAIエージェントワークフローの作り方 9つのベストプラクティスで信頼性と保守性を実現

   

複数のAIエージェントが連携して複雑なタスクを自律的にこなす「エージェンティックAI(Agentic AI)」が注目されています。しかし、プロトタイプは比較的簡単に作れますが、実際に本番環境で安定して運用するとなると、多くの技術的な課題が立ちはだかります。

そこで、そうした課題に対処するための9つの実践的なベストプラクティスを整理していきます。

背景

LLMを使ったことがある方なら、プロンプトを入力し、それに対してAIが返答するという基本的な使い方には馴染みがあるでしょう。こうしたやり取りは、従来のLLMの典型的な利用方法です。しかし、この一問一答の枠を超えた新たな応用が注目されています。それが「エージェンティックAI(Agentic AI)」です。

エージェンティックAIとは、AIが自律的に一連のタスクをこなす仕組みです。たとえば、エージェント自身がプロンプトを生成し、モデルを呼び出し、その出力に基づいて次の行動を判断するといったプロセスを、人の手を借りずに繰り返します。さらに、特定の役割を担った複数のエージェントが連携する「エージェンティックAIワークフロー」では、検索・フィルタリング・推論・検証などの処理を分担し、より高度で複雑なタスクの自動化が目指されています。

エージェンティックAIワークフローは、各エージェントの役割を明確に分けることで、システム全体のモジュール化や保守性の向上が図られています。また、異なるモデルを組み合わせることで、単一のモデルでは実現できない柔軟で高性能なシステムを構築することも取り組まれています。実際に、コンテンツ生成、ニュース分析、規制対応、知識抽出、マルチモーダルなメディア合成など、複雑な業務の自動化に応用され始めています。

とはいえ、ここからが本当の課題です。簡単なスクリプトやノートブックを使ってプロトタイプを作るのはそれほど難しくありませんが、それを本番環境で安定的かつ安全に動作させるには、多くの技術的なハードルがあります。

たとえば設計段階では、「どの処理をどのエージェントに任せるか」「ツール呼び出しにするか、それともModel Context Protocol(MCP)を使うか」「エージェント間の調整をどうやって決定的に行うか」といった判断が必要です。実装の段階では、エージェント同士の通信制御、ツールスキーマの設計、プロンプトの部品化、異なるモデルの統合、責任あるAI運用のための基準適用などが課題となります。運用フェーズに入れば、本番環境での安定稼働や並列処理、障害時の対応、リトライ機構、ログの収集、コストの最適化、セキュリティ対策、エージェントの追跡や監視、そしてモデル更新による結果の再現性の確保が求められます。

こうした一連の課題を体系的に整理し、適切に対処しなければ、せっかくのエージェンティックAIワークフローも、不安定で再利用しづらく、スケールやデバッグ、ガバナンスが難しい仕組みになってしまいます。本記事は、試作から本格運用へと円滑に移行するための、実践的な指針を示すことを目的としています。

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