人間の心の問題は、経済的にもマイナスの影響を与えている。一説によると、うつ病による経済損失は国内だけでも約2兆円とも言われている。
「うつ」や「不安障害」の症状は、働き手としての人間に次のような行動を促す。
- 休職
- 非就業状態
- 労働生産性の低下
- 自殺
- 医療費の増加
では、うつ病を代表とした心の問題への対応策としてはどのようなものがあるだろうか?
一つにはセラピスト等の認知療法、もう一つにはマインドフルネスの実践が謳われている。
マインドフルネスとは「いま、ここ」に集中して、何らの判断も加えずにいることで生じる気づきをいう。座ったまま呼吸を行う瞑想を中心として、マインドフルネスを育むための取り組みは日夜研究されている。
マインドフルネスが体内の炎症を抑える可能性すら示唆されており、Googleなどのテック企業も社内カリキュラムに組み込んでいるほど効果の実証が進んでいる。
しかしいまだにマインドフルネスと脳の直接的作用関係性は明らかになっていない。マインドフルネスを実践することが万人に効くと言ってはいけない理由は、人間の脳は千差万別であるためだ。どんな薬も、個性に適した処方が必要である。
そんな中、ニュージーランドのオークランド工科大学のZohreh Doborjehら研究者は、マインドフルネスの効果に大きな関心が寄せられているという状況において、脳機能の測定がマインドフルネスに反応する可能性の高い個人を特定するために使用できるかどうかは不明であるという課題に注目し、EEGデータ*をSNN*で分析した。
*EEGデータとは:Electroencephalogramの略。脳波形データを意味する。
*SNNとは:Spiking Neural Networkの略。より生体のニューロンに近いニューラルネットワークモデル。
その研究のポイントはこうだ。
マインドフルネスと脳活性の関係を分析
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