主要な世界的AI研究機関(企業)が自社の論文を掲載しているWebページまとめ

   
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最終更新日:2022/03/03

アイブンでは、論文に付与された再利用ライセンスをできる限り忠実に守り、第三者の会社である我々が引用しても問題がない論文のみを取り扱っている。

そのため、「この論文は実に興味深いので記事にしたい」と編集部が判断してもライセンスの関係で記事化できないことが時々ある。

その内いくつかのケースにおいては著者に直接コンタクトし、記事化の許諾を得ることもある。しかし、本来ならば全ての興味深いトピックを読者諸君の目に触れさせたい。

再利用ライセンスが十分に付与されていないケースは、企業によるリリースが多い。
そこで今回は、タイトルにもある通り主要なAI研究機関(企業)が自社の論文をまとめているWebページとその特徴を紹介する。


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AI専門の研究機関

DeepMind -AIに劇的な進化をもたらす先駆者

DeepMindは2010年に発足し2014年からGoogle傘下となったAI専門の研究企業である。有名な製品としてはAlphaGo(世界一の囲碁棋士に勝利したAI)、AlphaFold(タンパク質構造を予測するAI)などがある。

論文掲載ページURL:https://deepmind.com/research

特徴:

  • NatureやScienceなど主要な科学雑誌に論文が採択されている
  • 深層学習、強化学習などのコンピューター理論だけでなく神経科学などの論文もAI研究の一環として掲載している
  • 論文に対して著者のコメントが付いているものも多い
  • GitHubなどでオープンソースレポジトリを公開しているものもある
  • 特に注目の論文は「FEATURED PUBLICATION」として紹介している

OpenAI -膨大なパラメーターで時代を前に進めるマッチョ






OpenAIは非営利のAI研究団体である。TeslaやSpaceXなどで有名なイーロン・マスクが共同創始者として名を連ねている(同氏は2018年に幹部職を辞任)。自然言語処理モデルのGPTをはじめとする膨大なパラメータに基づく研究が有名である。「人類の敵にならない」AIを推進することを目的としている。

論文掲載ページURL:https://openai.com/publications/

特徴:

  • 言語モデルに関連する論文が多い
  • 論文数自体は多くなく、2021年は全9件、2020年は全8件
  • 研究領域などで分類されておらず、シンプルなページである
  • 最も古い出版年は2016年であり、2022年現在まで全ての出版物を1ページで見渡せる

GAFA(GAMA)

Google、Apple、Facebook(Meta)、AmazonはそれぞれAIの研究グループを持つ。

※旧Facebook社は社名をMetaに変更したため、現在はGAFAではなくなった(しかし、GAMAという略称はあまり浸透していない)。

Google AI -幅広い用途でのアプリケーションに関連する研究を展開

GoogleはDeepMindを傘下においているが、本社にもAI研究グループがつくられている。AIの基礎研究が多いが、ゲーム、ヘルスケア、自動車、製造などのテーマも時折見られる。Google AIのトップページには「毎日、数億人が使用するテクノロジーにインパクトを与える」とある。

論文掲載ページURL:https://research.google/pubs/

特徴:

  • 更新頻度が高い(論文投稿数が多い)
  • 研究領域、出版年で分類されている
  • 研究チームで分類されている
  • 最も古い出版年は1998年で、2022年3月現在7,555件の論文数が掲載されている

Apple Machine Learning Research -意外にも論文がガンガン発表されている

Appleが自動運転車を開発しているというニュースを目にしたことがある読者も多いと思う。同社は自動運転の他にも、AirpodsやiPhoneの写真アプリを進化させるようなAIの研究を行っている。AI関連の論文に関する精力的な投稿数は、他の企業に類を見ないほどだ。その多くは大きな話題にはなっていないが、研究成果は近い将来、製品に搭載されたAIとして消費者の手元に届くはずである。

論文掲載ページURL:https://machinelearning.apple.com/research/

特徴:

  • 更新頻度が高い(論文投稿数が多い)
  • Apple製品に関連する研究が多い
  • 論文と記事の両方を読める
  • AppleのWebサイト内で全文を読める論文がある
  • 研究領域、出版年で分類されている
  • 学会別、共同研究先の学術機関別で分類されている

Meta AI -サイバー体験を一新するために

Meta(旧Facebook)のAI研究はテーマがはっきりしている。ネット上での消費体験を変えるような検索AI、ディープフェイクの検出、人物の検出など、同社の現在と未来を結びつけるようなテクノロジーを集中して開発しているのだ。

論文掲載ページURL:https://ai.facebook.com/results/?content_types%5B0%5D=publication

特徴:

  • 研究領域、出版年、学会で分類されている
  • タグから検索できる
  • 最も古い出版年は2010年
  • 研究領域は全14種類
  • オリジナル性のある研究領域は「Responsible AI(責任のあるAI)」

amazon science -AIを特別視はしていないが研究成果は膨大

amazonはAIに対する取り組みをチームとして対外的に独立させていない。Google、Apple、Metaと比較すると、その点は違いと言える。

論文掲載ページURL:https://www.amazon.science/research-areas/machine-learning

特徴:

  • 5種類の研究領域で分類されている
  • 上記以外に論文をソートできる機能はない
  • 更新頻度は高く、2022年3月現在で今年の出版数は30件を超える
  • 論文に関連する記事も多く更新されており、著者のインタビューが目立つ

ほかにも強い研究チームが存在

DeepMindやOpenAI、GAFA(GAMA)以外にも、AIの研究を進める企業は数多く存在する。今回はAdobeをピックアップした。

Adobe Research -Adobeらしさ全開

AdobeのAI研究は、恐ろしいほどAdobeらしさ全開だ。動画、アニメ、画像、音楽。特に目を引くのがメディア間の変換である。テキストから画像、画像からアニメ。Adobeの研究からはクリエイティブの垣根が消えていく未来を垣間見ることができる。

論文掲載ページURL:https://research.adobe.com/publications/?a=ai-machine-learning

特徴:

  • 更新頻度が高い(論文投稿数が多い)
  • 研究領域、出版年で分類されている
  • アート、デザインに関連する研究が多い
  • 画像だけでなく音楽やテキストに関する研究も多い

この記事は必要に応じて機関(企業)を追加するなど情報を更新していくので、随時チェックしてみてほしい。またアイブン内には上記の企業が発表したAI論文の中から「これは面白い」というものを取り上げて個別に記事化したコンテンツもある。そちらもチェックされたい。


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