注目が高まるタンパク質の構造
ヒトゲノムプロジェクトの成功により、タンパク質を構成する遺伝子の新たな世界が明らかになり、多くの研究者がタンパク質の構造をマッピングする研究に着手しました。現在、5万件以上のヒトのタンパク質構造がタンパク質データバンク(PDB)に登録されており、ホモ・サピエンスは最もよく登録されている種となっています。
しかし、登録されているヒトタンパク質はわずか35%にすぎず、多くの場合、構造は配列の一部しかカバーしていません。実験的に構造を決定するためには、時間のかかる多くのハードルを克服する必要があります。
タンパク質の構造予測は、実用的な構造仮説を迅速かつ大規模に提供します。これまでの大規模な構造予測研究では、タンパク質ファミリー、特定の機能クラス、プロテオーム全体で同定されたドメイン、場合によっては完全な鎖や複合体を対象としてきました。
精度の高いモデルは、相同性検索や推定機能の割り当てだけでなく、分子置換やドラッグ可能なポケットの検出など、より幅広い応用が可能になるため、予測モデル改善は非常に重要です。
タンパク質の構造推定という課題において、実際にどんな研究が行われているのでしょうか。DeepMindのKathryn Tunyasuvunakoolら研究者の発表を紹介します。
研究者らは、構造推定システムAlphaFoldに改善を加えることで、さらに高度なタンパク質の構造推定を試みました。
▼今回紹介する論文情報
著者:Kathryn Tunyasuvunakool, Jonas Adler, Demis Hassabis
タイトル:”Highly accurate protein structure prediction for the human proteome”
Naturevolume 596, 590–596 (2021)
URL:DOI
▼DeepMind社の他論文に関する記事
ヒトを構成するタンパク質を深く理解する
まずはKathrynらの研究におけるミッション・手法・結果をまとめました。
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