こんにちは。アイブンライターの清野です。
最新研究をサクっとキャッチアップできる「今週の5本」シリーズ。今週のメディカルAI編では、「大腸がん」を軸に、以下の5つのAI研究に注目していきます!
バックナンバーはこちら
今週のラインナップ
1. ポリープ検出の新しい機械学習モデルを提案
2. ディープラーニングで大腸癌ゲノミクス解析
3. HE染色像から遺伝子変異を予測
4. ステージⅢ大腸癌の予後を予測
5. 大腸内視鏡の大規模データからモデルを構築
今回も手術支援AIベンチャーCEOの河野健一医師にコメントをいただきました!
手術支援AI事業を展開している河野先生のiMed TechnologiesはAIエンジニアを募集しています!関心のある方はこの記事の下部をチェック!
ポリープ検出の新しい機械学習モデルを提案
1本目は、MED-Netと呼ばれる新しい機械学習モデルの提案です。大腸内視鏡におけるポリープ検出では、SSDやYOLOの報告が多くありますが、本論文では新しいアーキテクチャーを提案しています。
背景と目的
大腸内視鏡でのポリープセグメンテーションでは、主に2つの問題があります。1つ目はポリープの形状、大きさ、色、質感に関するもので、これらは検出精度に関連します。2つ目はポリープの境界決定です。これはより精度の高い検出のために必要になります。
方法
韓国・嘉泉大学のN. Nguyenらは、新しくMED-Netと呼ばれる手法を提案しました。MED-Netは、ポリープ検出で有望なDeep Encoding-Decoding Networkを改良したものです。
なお、CVC-ColonDB、CVC-ClinicDB、ASU-Mayo Clinic Colonoscopy Video DB、ETIS-LaribPolyp DBの4つの公開データセットを用いました。さらに解像度を複数用意してデータ拡張を行いました。
結果と考察
提案手法は、どの最先端のポリープセグメンテーションよりも優れており、精度 93.2%、感度 90.3%、特異度 0.982%、ダイス係数 0.908でした。
著者らはより汎化して深いネットワークを構築し、提案したアプローチを改善したいと結んでいます。
河野先生(医師兼CEO)のコメント
大腸内視鏡AIは日本でも既に臨床現場で使われています。EndoBRAIN(-EYE)という製品で、腫瘍の良性・悪性を判定したり、病変があるときに教えてくれたりします。
本研究は似たような検出AIですが、病変を塗りつぶす(セグメンテーション)という点が異なります。そのため、セグメンテーションすることの臨床現場でのメリットが見つけられるといいですね。
■関連記事:見つけにくい「すい臓がん」、AIで早期発見を目指す
ディープラーニングで大腸癌ゲノミクス解析
2本目は、オミックス解析に機械学習を応用した例です。オミックスはもともとプログラムで遺伝子の包括的解析を行う分野ですが、それをさらにディープラーニングで解析した報告です。
また記事の購読には、アカウント作成後の決済が必要です。
※ログイン/初回登録後、下記ボタンを押してください。
AIDBとは
プレミアム会員(記事の購読)について
■サポートのお願い
AIDBを便利だと思っていただけた方に、任意の金額でサポートしていただけますと幸いです。