本記事では、LLMが研究者の論文執筆にどのような影響を与えているかを大規模に調査した研究を紹介します。
ChatGPTの登場以降、研究者の間でもLLMの活用が急速に広がっています。今回の研究では、複数の主要プリプリントサーバーから210万本以上の論文を収集し、LLM利用が研究者の生産性や執筆スタイル、さらには引用行動にまで及ぼす変化を包括的に分析しました。その結果、単なる生産性の変化にとどまらない、科学研究の評価基準そのものを揺るがしかねない発見が浮かび上がってきました。

背景
科学の歴史を振り返ると、新しい技術の登場が研究のあり方を大きく変えてきました。今は生成AI、とりわけLLMが研究現場に急速に浸透しつつあります。
特定の研究分野ではすでにAIの価値が実証されています。AIが従来不可能だった成果を次々と生み出しています。自然科学だけでなく社会科学の分野でも、LLMを活用した新しい研究手法が提案され始めています。
しかし、こうした個別の成功事例がある一方で、研究者の生産性は本当に上がっているのか、研究の質はどう変化しているのか、そもそも研究者はLLMをどのように使っているのか。これらの問いに対する体系的な答えは、まだ得られていません。
そこで本記事では、210万本を超える論文データを分析し、LLMが科学研究の現場にもたらしている変化を包括的に明らかにした研究を紹介します。