1,300本の論文分析と282名のエンジニア調査が明かす「ビジネスと研究の接点」

2025.12.22
深堀り解説

この記事では、AIを活用したソフトウェア開発の分野で、研究とビジネス現場との接点に注目します。

AI関連の主要な国際会議で発表された1367本の論文を分析し、さらにIntelやMicrosoft、Huawei、ByteDanceなど17の企業に所属する282人のエンジニアへの調査も行われました。

その結果、技術の実用性を見きわめるための7つの視点が示されています。

背景

2022年の終わりにChatGPTが登場して以降、ソフトウェア開発の現場には大きな変化が訪れました。コードを自動で書いてくれるツールが次々と生まれ、今では多くのエンジニアが日常的にこうした技術を活用しています。それにあわせて、大学や研究機関でも、AIによるコード生成やバグ検出、テストの自動化といったテーマでの研究が盛んに進められています。

こうした動きを背景に、ひとつの問いが浮かび上がります。研究と実務は、それぞれ異なる立場にありながらも、互いに密接につながっているはずです。現場で生じる課題が研究の出発点となり、研究成果が現場での課題解決につながっていく。このような良い循環が築かれることが理想だといえるでしょう。

これまでにも、研究と現場の関係性を探ろうとする試みはありました。たとえば、ある特定のツールがどのように使われているのかを調べたり、エンジニアがどのような機能を求めているのかを聞き取ったりするような調査です。ただ、そうした取り組みの多くは個別の技術や限られた企業に焦点を当てたもので、ソフトウェア開発全体の流れを広い視野で捉えるには少し足りないところがありました。

今こそ、研究がどこを目指しているのか、現場がどのような課題を抱えているのかを、あらためて俯瞰して整理することが求められています。

今回取り上げる事例は、まさにそのような視点から行われたものです。論文を大規模に読み解き、さらに実際に現場で働くエンジニアの声も丁寧に集めることで、研究と実務の接点を明らかにし、それぞれの立場がどのような特徴を持っているのかを見つめ直そうとしています。

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