最終更新日:2021/02/14
近年はAI技術の進歩が著しく、日常の色々な場面でAIを目にすることも増えてきました。AI失業という言葉もありますが、良くも悪くも私たちの生活に影響を与える範囲が大きくなってきているのではないでしょうか。
まだまだ研究途中で、導入が進んでいない分野も数多くありますが、研究者たちは生活で役立つテクノロジーの開発に向けて日々研究に勤しんでいることと思います。
そんな研究者たちの努力の賜物は、日々特許という形で世の中に出されています。
今回は、AI特許に関する記事を50本執筆してきた筆者が面白いと感じたり、近い未来に役立ちそうだと思った特許記事を5つピックアップしてご紹介していきます。
ぜひ最後までお読みください。
「高齢者の生活をサポートする『AI眼鏡』」
1つ目は日本人の湯田秋夫さんが発明した、高齢者の自立した生活を助ける眼鏡内のAIアシスタントです。
ヒトは年を取るにつれて、目の衰えや耳の聞こえが悪くなる、記憶力といった能力が低下していきます。これらは加齢による脳の萎縮が関係していると言われています。
今回の「AI眼鏡」は脳の萎縮を補うために、まずこの眼鏡をつけている日常の行動を記録します。
そして、カメラが何が写っているかを判別し分類を行うことでAIがより正確に間違えそうになる行動や、忘れそうな行動を事前に予測しAIアシスタントがアナウンスして適切な行動を促すことが出来ます。
具体的には、高齢者がある作業をしてる時に別の用事で手を離した後、また同じ作業に戻る場合に事前に何の作業をしていたか忘れてしまった場合があるとします。その際に、AIアシスタントに問いかけることで、自身の行動動画を再生することで記憶を呼び戻すことができます。
今後来たる超高齢化社会で是非活躍して欲しいシステムだと思いピックアップをさせていただきました。
このシステムによって、高齢になっても介護者に頼ることなく自立した生活を送ることができる未来がやってくるといいですね。
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ソフトバンク、「プレゼンを総合的に自動評価するAI」
2つ目に紹介するのは、ソフトバンク社が発明した「プレゼン評価AI」です。
このシステムの新しい点は、プレゼンを総合的な視点で自動評価するという点です。
従来の評価装置は、どの程度の割合で発表者が聴講者の方向に視線を送っていたかを検知し、その視線の判断結果と、発表資料の各ページに割り当てられた時間と発表者が現実に各ページに費やした時間との比較をすることでプレゼンを評価していました。
しかし、上記の方法では観点が限定的であったため、ソフトバンク社は、プレゼンターの声や発話内容、表情、ジェスチャなどを統合して総合的にプレゼンを評価できるシステムを発明しました。
従来からプレゼンを自動評価するシステムがあったことに驚きましたが、さらに進歩したプレゼン評価AIが誕生しました。
このシステムは、社会人だけでなく学生でも発表する機会に自身のプレゼンの修正点を洗い出し、さらに良いものにできるため、幅広い層に有用だと思いピックアップをしました。
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アドビ「写真から線画をえがくAI」
3つ目に紹介するのは、アドビ社が発明した写真から自動的に線画を作成するAIシステムです。
従来、線のみを使用してオブジェクトを表現する線画は多くの場面で使用されていますが、写真から線画を作成することは熟練したアーティストでも非常に時間のかかる作業のようです。
このシステムでは、オブジェクトのどの特徴部分に線を引くべきで、どこに引かないでおくべきかを識別するように訓練されたニューラルネットワークを使用し、写真から自動的に線画を作成します。(下図を参考)
また、写真の中のあいまいな部分も復元用ネットワークと呼ばれる第二のニューラルネットワークを用いることで対応できるということで驚きです。
このシステムによって、クリエイターの方を泥臭い作業から開放し、よりクリエイティビティを発揮できる環境を整えることができると思います。海外から人気の高いマンガやアニメのような日本の文化をさらに盛り上げることができるのではないかと思い紹介させていただきました。
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コニカミノルタ社、「人間の発想を支援するAIシステム」
4つ目はコニカミノルタ社が発明した、ユーザーに発想の着眼点を与える発想支援AIシステムです。
近年は、単純労働や定型業務の機械化が進展しており、人間にはより創造的な仕事をこなすことが求められてきています。しかし、全ての人間が創造的な発想を得意としているわけではありません。
そこで、今回のAIを使うことでユーザーに新しい発想の切り口を提供し、新たな視点を得ることができます。
人間は多角的に考えたつもりでも、無意識のうちに自分の興味に縛られ、部分的な発想にとどまってしまうことがあります。
AIによって仕事を奪われるかもしれない人をAIで救うことができるかもしれないという点が面白いと思いピックアップしました。
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台湾企業、「いびきから無呼吸を予測するAIシステム」
5つ目はある台湾企業が発明した「いびきから無呼吸を予測するAIシステム」です。
睡眠中に無呼吸になってしまう人は、日中に疲労や眠気を感じたり、記憶力の低下、うつ病にかかりやすくなる、交通事故の発生率を上昇させたり、メタボリックシンドロームを引き起こしやすくなったりします。
従来の検査方法には、睡眠ポリグラフ検査という病院で行うものがありますが 、日数がかかること、費用と人手もかかり且つ費用が高いという課題がありました。
この課題を台湾企業はニューラルネットワークを用いた機械学習を利用して解決しました。
無呼吸症候群は寝ている間に起こるため、自分ではなかなか気づくことができず、多くの潜在患者がいるとされています。知らないうちに多くの人に生じているリスクを回避することができる画期的なテクノロジーだと思いピックアップしました。
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この記事で取り扱った論文:[研究者名],”[論文名]”,[ジャーナル名],[巻(号)],[ページ番号]-論文のWebページに掲載されています。カンマを誤って消したりDOIのURLをベタ打ちするとレイアウトが崩れてしまうので注意。- DOI
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