ケンブリッジ大学などの研究者らは、「様々な物理現象を大量に学習させた物理シミュレーション用の大規模モデル」の中に、ある物理現象に対応する「概念」がはっきりした形で表現されていて、それを足し引きして振る舞いを変えられることを報告しています。
例えば「渦(うず)」にあたる概念 ベクトルをモデルに注入すると、本来は渦が出ないはずのシミュレーションに渦が現れました。
逆に引き算すると、渦が消えて滑らかな流れに変わります。
さらに、渦は本来は流体のシミュレーションで現れる概念のはずなのに、化学反応のシミュレーションに適用することもできたそうです。
この化学系には本来「渦」という概念は存在しないにもかかわらず、化学物質のパターンが渦巻き状に変化したのです。
このため、こうした物理シミュレーション用の大規模モデルは、表面的なパターンだけでなく、より抽象的な物理ルールを普遍的な概念として学習しているのかもしれません。
物理現象を大量に学習した結果、物理の本質に近い何かを内部表現として獲得している可能性が示唆されている、ということです。
📄 参照論文
Physics Steering: Causal Control of Cross-Domain Concepts in a Physics Foundation Model
所属: University of Cambridge, NYU & Simons Foundation, Flatiron Institute