課題:「自律型ロボットで生産」への期待
Preferred Networks社が2020年6月22日に報じた移動型マニピュレーターロボットの量産設計開始の話題は、AI(機械学習)とハードウェアの設計を考える者たちにとっては大きな衝撃だった。現在は、製造業のデジタル化に対する関心が高まっているからだ。
ドイツ政府が主導して推進しようとしている「インダストリー4.0(製造業のデジタル化)」では、ネットワークを活用して顧客からのカスタマイズに応え、大量生産でありながらオーダーごとにカスタム対応を可能にする多品種少量生産を目指している。この意向を体現すべく、例えばドイツの自動車メーカーBMWは、現在顧客のニーズに合わせ、平均で100通りものオプションを用意している。
こうした中で課題となってくるのは、それに伴う製造過程の複雑性だ。上記で例に挙げたBMWは、 AIを活用した自律ロボットを用いて複雑化した材料の流れを最適化するために、車体生産工場にNVIDIAのAIプラットフォームIsaacを導入した。
自動化された製造工場において、それぞれのロボットを協調させて効率的な生産を可能にするためには、それらのロボットを統括する知的システムが必要になる。こうした課題に対しては、実際にどのような研究が行われているのだろうか。
今回は、スペインにあるマドリード・カルロス3世大学の Pablo J. Alhama Blanco ら研究者の発表を紹介したい。彼らは、インダストリー4.0に向けての課題点を整理し、その実用化に向けてロボットマニピュレータの概念検証を行ったのだった。
テーマ:製造業のデジタル化を進めるアイデアは進められるのか?
まずはPablo J. Alhama Blancoらの研究におけるミッション・手法・結果をまとめた。
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