「AIアルゴリズムは、人間の脳と本当に似ているのか?」そんな疑問に答えようとする研究者の挑戦を紹介しよう。
課題:人間の脳とAIは似ているのかを知りたい
AIは人々の身近な存在になってきているものの、その仕組みは完全には解明されていない。しかし、AIの根幹である人工ニューラルネットワーク(artificial neural networks、ANN)は、脳神経から着想を得て数理モデルとしてシミュレートしたものとされている。
脳では、ニューロンと呼ばれる複数の神経細胞がシナプスを介して繋がっており、シナプスがニューロンに情報を伝達する役割を担っている。この仕組みをコンピュータ上で表現したのがANNなのである。
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今年2月には、マウスのニューロンと人工ニューロンが接続したことを示す研究成果も発表された。人の脳と人工知能がつながれば、人類の知性はさらに大きく発展するだろう。
しかし、そもそも人間の脳とAIアルゴリズムは本当に似ているものなのだろうか?
この疑問に立ち向かったのが、アメリカ・マサチューセッツ工科大学(MIT)のMartin Schrimpfら研究者だ。
彼らは、最先端のANNと脳の類似性を評価するために、 複数の神経と行動のベンチマークからなるBrain-Scoreの開発を試みたのだった。
テーマ:脳とANNの類似性を評価する指標を開発
まずは、Martinらの研究におけるミッション・手法・結果をまとめた。
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