薬づくりが変わる、業界が変わる。
このシリーズでは「製薬業界を変えるAI技術」と題して、創薬AIに関連する研究を毎週ご紹介します。以下のような用途でご活用ください。
- 業界の将来予測
- AI技術調査
- 各病における治療法の展望
担当するのは薬学部出身ライター、Masashiです。
今回は以下の5つの研究に注目していきます!
今週のラインナップ
1. 薬による心毒性をAIで予測
2. 乳がんバイオマーカーをAIで予測
3. 化合物の物理化学的特性をAIで予測
4. がん特異的なDNA損傷応答をAIで予測
5. 最適なドラッグデザインをAIで予測
バックナンバーはこちら。
薬による心毒性をAIで予測
イギリス・オックスフォード大学(2020年5月21日発表)
薬による心毒性(心臓に有害な作用をもたらす性質)は、多くの治療法の適用を制限する壁となっており、創薬の研究開発プロセスの速度を低下させています。創薬における計算手法は、心毒性の同定などの課題を克服することにより、創薬パイプラインの生産性を向上させることが期待されます。
イギリスのオックスフォード大学の研究者らは、化合物情報が記載されているDrugBankデータベースや副作用情報が記載されているMedDRAデータベースなどを用いて、機械学習モデルにより、薬物誘発性の心毒性を予測しました。
結果、本モデルの精度は、平均AUCが79%に達し、以前に見られなかった抗炎症薬の心疾患の兆候や、抗腫瘍薬による心不全を予測しました。このモデルは心毒性だけでなく、その他の組織特異的な副作用の予測にも適用できる可能性が示唆されており、今後の創薬プロセスのスピードアップが期待されています。
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乳がんバイオマーカーをAIで予測
カナダ・ウィンザー大学(2019年5月27日発表)
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