【Microsoftから10億ドル調達】OpenAIの論文読んだらすごかった。

   

最終更新日:2019/10/31

プレスリリース

2019年7月22日、AIの研究開発を行う米OpenAIは、米Microsoftより10億ドルの資金調達を実施したと発表した。*
OpenAIは今の所、市場に売り出している製品はないものの、数多くの技術論文を発表している。

*プレスリリース:
Microsoft invests inand partners with OpenAI to support us building beneficial AGI

OpenAIとは

AGI(Artificial General Intelligence、汎用的人工知能)が全ての人類に利益をもたらすことをミッションとする集団である。

カリフォルニア州サンフランシスコに拠点を置き、規模は百人程度であるという。

Elon Musk、Ilya Sutskever、Sam Altman、Greg Brockmanが創設者である。

参照:OpenAI

破壊的な技術

彼らの研究開発中の技術の中に”Competitive Self-Play(競争的なセルフプレイ)”がある。

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OpenAIのミッションには「汎用的人工知能」の開発が欠かせない要素であるが、AIが「身体」の使い方を自律的に獲得し、競争に打ち勝っていくように設計する研究はその重要な一部分のようである。
それが”Competitive Self-Play(競争的なセルフプレイ)”と呼ばれており、上の動画がデモンストレーションにあたる。

この研究は、Dota2にボットを作るプロジェクトからスタートしており、研究の組み合わせで目的の機能に至ると考えられている。

“Competitive Self-Play(競争的なセルフプレイ)”を研究する過程で発表された一つの論文を以下に紹介する。

『EMERGENT COMPLEXITY VIA MULTI-AGENT COMPETITION』

原文:https://arxiv.org/pdf/1710.03748.pdf
クレジット:Trapit BansalJakub PachockiSzymon SidorIlya SutskeverIgor Mordatch, “Emergent Complexity via Multi-Agent Competition” https://arxiv.org/abs/1710.03748

論文の要点

✔️通常、エージェント(人間を模した人工的な存在)に複雑な動きを訓練する場合、相応に複雑な環境を用意する必要がある。

✔️単純な環境でも”セルフプレイ”を行なったエージェントは複雑な動きを獲得するが、「スキル」と呼ぶにふさわしい動きがいくつか発見された。

✔️エージェントが獲得したスキルには、ランニング、ブロック、ダッキング、タックル、敵をだます、蹴る、腕と脚の両方を使って防御するなどの行動が含まれる。






論文の結論

彼らはいくつかの新しい競争力のあるマルチエージェント3Dの物理的にシミュレートされた環境を提示した。

簡単な報酬で簡単な環境で非常に複雑なスキルの開発を実証した。

「将来の研究では、エージェントが互いに競争し協力することを奨励する、より複雑な環境で大規模な実験を行うことが興味深い」と言っている。

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人工知能に身体を与え、特殊な制御を与えずとも、人間の行動と近しい振る舞いを手に入れていく様子は非常に興味深い。
それらを観察するのは、私たち自身を理解することに繋がるという意味でも有意義であると言えるだろう。




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