
「AIを使えば、古くなったシステムを丸ごと新しく作り替えられる」。そんな期待が、急に熱を帯びています。古いプログラムをAIで読み解き、現代的な基盤へ移す。それを専門にする企業が株式上場を果たすほどの注目ぶりです。
ただ、盛り上がるテーマほど、華やかな成功例ばかりが前に出て、現場で本当に大変な部分は後回しにされがちです。
こんな場面を想像してみてください。古いシステムを新しい言語へ移し替え、変換は成功し、画面も問題なく動いた。移行は完了したように見えます。ところが本番に出してしばらく経ってから、ある一件の例外処理が消えていたことに気づく。十数年前から働いていた、ある条件のときだけ特別扱いする処理。設計書のどこにも載っていなかったその数行が、移行のどこかで抜け落ちていました。コードは新しくなったのに、動きだけが別物になっていた。
なぜ、正しく変換できたはずのコードが動きだけ違ってしまうのか。その取りこぼしを、移行の前に捕まえるにはどうすればよいのか。本記事では、古い資産を新しい基盤へ移すときに、書き残されていない業務ロジックまで守り切るための工程設計を紹介します。