
ここ半年で起きているのは、明らかな段階の変化です。AIとの協働事例集が、フィールズ賞受賞者を含むトップ研究者たちの手でarXivに公開されました。歴史的な未解決問題集として知られるErdős問題のリストからも、「未解決」のラベルが外れる事例が、ぽつぽつと出はじめています。AIモデルが数学コンテストで高得点を取る、というレベルから、現役研究者の問いに踏み込む段階へ移行しはじめています。
この変化に、研究者コミュニティは賛否で揺れています。予測する側は、ベンチマーク向上のペースを根拠に「ほぼ全ての研究問題は遠からずAIが解く」と主張します。反論する側は、数学の核心は問いを立てることや本質を見抜くことにあり、そうした創造性はベンチマークでは測りきれないと指摘しています。
論点は意外と整理されていません。本記事では、2025年9月以降に発表された3本を辿り、現場で起きている変化と、それをめぐる議論の構造を考えていきます