最終更新日:2019/12/26
アパレル製品分類の自動化が必要
毎年、多数のアパレル企業が多種多様な服を販売するが、それらの服がどうやって生み出されるかを考えてみたことはあるだろうか。
アパレル企業では、複数のデザイナーチームが様々な商品を生産している。社内の生産の進捗全体を俯瞰し、商品を分類することは、マーケティング戦略の策定や、新製品を開発する際に他の商品とコンセプトやデザインが被るのを防ぐ上で大切だ。
これまで、商品の分類は人の手でやられてきたが、点数が何千、何万と増えてくると、いよいよ人力では難しい作業となってくる。今やアパレル業界は、機械による分類を求めているのだ。
イタリアにあるパルマ大学のLuca Donatiら研究者は、ファッション製品の視覚的分類に着目し、Adidas AG™とともに、ロゴなどを始めとする衣服の特徴の自動認識および分類を試みた。結果、企業が使用するのに十分な信頼性と堅牢性を備えた画像認識と特徴抽出が実現された。
画像認識と特徴抽出でアパレル商品を分類
Luca Donatiらの研究のポイントは以下の通りだ。
✔️ミッション ✔️解決手法 ✔️結果 |
その詳細を以下で述べる。
ファッション製品の視覚的分類
ファッション製品の視覚的分類は、デザイナーとデータエキスパートの両方が生産全体を認識し、マーケティングキャンペーンの整理、重複の回避、eコマース目的でのアパレル製品の分類などをする上で不可欠である。特に、アディダスは年間2万点もの商品を開発しており、人の手で分類するのが困難になってきた。
ディープラーニングとコンピュータービジョンの併用
Luca Donatiらの研究は、以下の7つの特徴の分類を自動化することを目的としていた。
・ロゴのサイズとタイプ
・スリーストライプスの存在感と色
・3つの主要な色パレット
・プリントと衣服のパターン
・ 首の形
・袖の形
・衣類の素材
これらを各特徴に最適化した複数の分類機を使用し、分類した。
一例として、ロゴの分類に関しては、微調整されたVGG19モデルが使用された。
以下はその概要図であるが、ディープラーニングテクニックのCNNをベースとしたシステムである。
画像の93%を正しく認識
アディダスのデータ専門家によって選択された86のテスト画像データセット内の画像の93%を正しく認識した。
特に、ロゴの誤分類はわずかであったことは注目に値する。
研究紹介は以上だ。
アパレル商品の自動分類は、いずれは流行を模索し、デザインやマーケットに応用できる時が来るだろう。
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この記事で取り扱った論文:Luca Donati,Eleonora Iotti,Giulio Mordonini,Andrea Prati,” Fashion Product Classification through Deep Learning and Computer Vision “,Appl. Sci.2019, 9(7), 1385
DOI
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