若い男性のおよそ3分の1が、AIパートナーとの交際経験がある。CNNが2024年に報じたこの数字は、LLMが恋愛の「周辺ツール」にとどまらなくなっていることを物語っていました。
出会いの相性をAI同士の会話で予測する。カップルの喧嘩をLLMが分析して、やり直しの場を用意する。そしてAI自身が恋人になる。これから先の社会はどうなるのでしょうか。

恋愛のあらゆる段階にLLMが入り込んでいる
出会いの仕組みはこの20年、基本的な仕組みをほとんど変えていません。趣味が合う、年齢が近い、住んでいる場所が同じ。プロフィール情報の類似度から「合いそうな相手」を推薦する方式です。しかし心理学では、相性はプロフィールの一致からではなく、実際のやりとりのなかから生まれることが繰り返し示されてきました。そこに着目した研究者たちが、LLMで「まず会話させてから相性を測る」手法を提案し始めています。
また、すでにパートナーがいる人たちへの支援も動き出しています。恋愛の喧嘩は、話し方のテクニックを学ぶだけでは収まりません。依存や力関係、感情の駆け引きが絡み合うからです。こうした葛藤のパターンをLLMで可視化し、会話の練り直しができるシステムも開発されつつあります。
そしてもう一つ、AIそのものが恋人になるという現実があります。AIパートナーとカスタムリングを交換し、結婚式を挙げる人。妊娠ストーリーを一緒に計画する人。こうした関係が広がるなかで、プライバシーの議論はほとんど追いついていません。
こうした流れはどこまで来ており、そしてどんなリスクが置き去りにされているのでしょうか。研究事例や調査結果をもとに紐解いていきます。