近年、大規模言語モデルは、その能力を発揮し、人間と同等のパフォーマンスを達成することができるようになりました。しかし、それでもまだ解決すべき課題があります。今回紹介する研究は、大規模言語モデルが実世界のAPIを理解し、適切に操作する能力を与えることで、課題解決能力を上げるものとなります。
参照論文情報
- タイトル:ToolLLM: Facilitating Large Language Models to Master 16000+ Real-world APIs
- 著者:Yujia Qin, Shihao Liang, Yining Ye et al.
- 所属:イエール大学、WeChat AIなど
- URL:arXiv:2307.16789
- GitHub:https://github.com/OpenBMB/ToolBench
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ToolLLMとは何か?
ToolLLMは、大規模言語モデルが実世界のAPIを理解し、適切に操作する能力を向上させるためのフレームワークです。具体的には、16,000以上のAPIを理解し、それらを適切に操作することができます。
ToolLLMの目指すものは、大規模言語モデルがAPIを自然言語で理解し、それに基づいてAPIを操作することです。その結果、大規模言語モデルは、より具体的なタスクを達成する能力を獲得します。
この研究では、ToolBench、ToolLLaMA、およびToolLLMという三つの主要なコンポーネントが提唱されています。それぞれの役割と関係性について説明します。
- ToolBench: チューニングデータセットの構築を助けるフレームワークです。具体的には、16,464の実世界のRESTful APIをRapidAPIから収集し、それらを使用する多様な人間の指示を生成します。さらに、各指示に対する有効な解決策パス(API呼び出しの連鎖)を検索します。
- ToolLLaMA: ToolBenchで提供されるデータセットを用いてLLaMAモデルを微調整した結果生まれたモデルです。ToolLLaMAは、特定の指示を実行するための具体的なAPI呼び出しを生成し、その結果を解釈する能力を持っています。
- ToolLLM: この研究全体を表す用語です。大規模言語モデル(LLM)を用いて実世界のAPIを理解し、操作する能力を持つ一般的なツール使用フレームワークを指します。ToolLLMは、ToolBenchによるデータ構築、ToolLLaMAの訓練、および評価(ToolEval)を含む一連のプロセスを指します。
これらの用語は、それぞれ異なる役割を果たし、ToolLLMフレームワーク全体の一部を形成しています。
ToolLLMの技術的な特徴
APIの理解と深化
ToolLLMは、APIのドキュメンテーションを自然言語処理によって理解する能力を持っています。この理解は、APIの機能や使用方法を把握するための基礎となります。さらに、ToolLLMはAPIのドキュメンテーションをただ理解するだけでなく、その内容を深化させることも可能です。これは、APIのドキュメンテーションに書かれていない情報を推測し、APIの使用方法をより広範に理解するための手法です。
APIの操作と最適化
APIの操作は、理解したAPIのドキュメンテーションに基づいて行われます。ToolLLMは、APIの呼び出し方を学習し、それを基にAPIを操作します。さらに、ToolLLMはAPIの操作を最適化することも可能です。これは、APIの呼び出し方を学習する過程で得られた知識を活用し、APIの操作をより効率的に行うための手法です。
大規模言語モデルとの連携
ToolLLMは、大規模言語モデルと連携して動作します。大規模言語モデルは、自然言語の理解能力を活用してAPIのドキュメンテーションを理解し、ToolLLMはその理解を基にAPIを操作します。この連携により、ToolLLMは大規模言語モデルが持つ広範な知識と理解能力を活用して、APIの操作をより効果的に行うことが可能になります。
ToolLLMは本当に使えるものなのか
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