脳を見れば遺伝子変異が分かる!?最新メディカルAI研究5選【週刊】

   

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こんにちは。アイブンライターの清野です。

最新研究をサクっとキャッチアップできる「今週の5本」シリーズ。今週のメディカルAI編では、以下の5つの最新AI研究に注目していきます!

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今週のラインナップ
1. 脳の画像から遺伝子変異を予測
2. ポリープの検出性能を向上
3. 高速で高画質なCTを実現
4. AIが手術工程を識別
5. 放射線治療計画の生成

今回も手術支援AIベンチャーCEOの河野健一医師にコメントをいただきました!

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脳の画像から遺伝子変異を予測

1本目は、「遺伝子変異の予測」に関する研究内容を紹介します。アメリカのCity of Hope国立医療センターより発表されました。






がんの治療戦略を立てる上で、どの遺伝子が変異したのかを知ることは重要です。通常、遺伝子の解析には組織を採取する必要がありますが、脳の場合は採取自体が困難です。

脳に転移した腫瘍の原発巣の多くは肺がんです。そこでアメリカのB. T. Chenらは、脳MRI、胸部CT、原発巣である肺病巣の遺伝子解析などのデータをもとに、画像から遺伝子変異を予測する機械学習モデルを開発しました。

その結果、病変のうち、がんの発生と関わりの強い3つの遺伝子(EGFR、ALK、KRAS)のどれが変異したのかを画像から推測できるようになりました。それぞれの曲線下面積(AUC)は、0.912、0.915、0.985でした。

これにより、著者らは「脳MRIから治療戦略を立てることができ、予後の予測に役立つだろう」と述べています。

ソース:Radiomic prediction of mutation status based on MR imaging of lung cancer brain metastases

この論文を選んだ清野(研究者兼ライター)の一言
Radiomicsという分野を最近知りました。Radiologyと-omicsの造語で、放射線に関する網羅的な学問というイメージですね。病理組織像から遺伝子の変異を予測するモデルであれば「きっとできるのだろうな」と感じますが、MRIから直接遺伝子の変異を予測するなんてすごい研究ですね。確かに組織の組成がMRIやCT像に反映されるわけですから理屈としてはわかりますが、魔法のように感じます。

河野先生(医師兼CEO)のコメント

脳腫瘍の中で転移性脳腫瘍の頻度は高く、その中でも肺がんから飛んでくるものが多いです。私の経験としても脳腫瘍の中では肺がんの転移性脳腫瘍の頻度は高く、治療としては、摘出術、生検(一部を取る)、放射線療法、抗がん剤治療などを行います。頭の手術は我々脳神経外科が行い、肺を含めた全身の治療は主に呼吸器内科・外科が行います。

本研究では、その肺がんからの転移性脳腫瘍に絞って研究を行っています。それにより、遺伝子変異が高い精度で予測できることを報告しています。

この成果を医療現場で応用するためには、どこで利用できるかを考えていく必要があります。個人的には、この研究をより多くの腫瘍に広げて、CT・MRI画像と病理所見・遺伝子変異とのつながりを探っていくと、応用範囲の広い新しい発見があるかもしれないと思いました。

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ポリープの検出性能を向上

2本目は、「ポリープの検出」についての研究内容を紹介します。中国の非鉄資源・地質災害調査研究所より発表されました。

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