最終更新日:2020/06/19
新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の課題に立ち向かい、AIでチャレンジしつづける研究者たちがいます。彼らの新しい研究発表は、毎日のように論文という形で発表され続けています。それらはデータベース「新型コロナウイルス関連AI論文一覧」に随時追加され、いつでも閲覧可能です。
先週新しく追加された論文は13件
さて、以下ではデータベースに新しく追加された論文をお知らせします。
感染拡大分析
- COVID-19およびその他の新型インフルエンザ様疾患のセンチネル症候群サーベイランスのための収差検出に基づくアプローチ(6/10)
- COVID-19感染症の第二波のリスク 人工知能を用いた北米における物理的距離政策の厳格さの調査(6/6)
診断補助
- スマートスピーカーで家庭の検疫をサポート(6/9)
- 音声信号によるモバイル健康診断(6/8)
- X線画像を使用してCOVID-19を他の胸部疾患と区別するためのディープニューラルネットワーク(6/8)
- 肺コンピュータ断層撮影データを用いたCOVID-19自動検出のための移動学習ベースのアンサンブルサポートベクターマシンモデル(6/5)
- ウイルスDNA配列の特徴付けのためのRT-PCRと擬似畳み込み機械学習アプローチの組み合わせによるCovid-19の分子診断の最適化(6/4)
- 呼吸音を用いたCOVID-19のスマートフォンベースのセルフテスト(6/4)
- 完全自動化されたディープラーニングベースのネットワーク 新・大型肺CTスキャンからCOVID-19の検出 データセット(6/4)
社会動向分析
- 米国におけるCOVID-19疫病の動態と展開(6/8)
- イタリア、スペイン、英国におけるCOVID-19対応の経済的影響への懸念と経済的脆弱性と負の経済ショックに伴うメンタルヘルス問題の評価(6/7)
- 機械学習によるツイッター上でのCOVID-19に関連した症状の自己報告、検査アクセス、回復を検出するための機械学習。レトロスペクティブ・ビッグデータ・インフォビランス研究(6/5)
- COVID-19初期患者の診断のための機械学習に基づく予測モデル(6/4)
緊急事態宣言が解除・緩和された国が多い中、研究内容の変化も感じられていくかもしれません。
【PICKUP】第2波への対策へ行政はどう動くべきなのか。
その中でも特に注目度の高い研究は第2波を見据えた以下の研究でした。
感染拡大分析トピック:COVID-19感染症の第二波のリスク 人工知能を用いた北米における物理的距離政策の厳格さの調査(6/6)
研究内容
新型コロナウイルス感染症の第2波に備えてどう動くべきなのか、政府介入と感染の広がりの相関関係について、ベイジアン susceptible-infected-recovered (SIR)、カルマンフィルター、機械学習3つのアプローチから三角測量を行ないました。
結論
政府の感染症対策への介入と同時に感染の広がりは小さくなっていることが分かりました。また、厳格政策のアメリカと緩和政策のスウエーデンを比較するとどちらも減少傾向にありますが、アメリカの方がより減少傾向が強いことが判明しました。この結果をもとにロックダウンの必要性を考えるきっかけになるとよいでしょう。
論文情報
タイトル(原題):Risk of a second wave of Covid-19 infections: using artificial intelligence to investigate stringency of physical distancing policies in North America
著者:Shashank Vaid& Aaron McAdie & Ran Kremer & Vikas Khanduja & Mohit Bhandari
実験場所(国):アメリカ、カナダ、スウエーデン
このような未曾有の事態において、政府の介入は今後の社会動向を決める重要な要素。国が違えば事情はガラリと変わりますが、アプローチ自体は共通のノウハウとなることが見込めます。
今後も新しい研究発表に目が離せません。
過去の研究を一覧できるデータベースはこちら
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