最新研究をサクっとキャッチアップできる「今週の5本」シリーズ。今週のメディカルAI編は、「メンタルヘルス特集」です!2020年以降に発表された、AIを用いたメンタルヘルス研究事例を5つ紹介します。
医師であり手術支援AI開発企業のCEOである、河野健一先生からのコメント付き!(バックナンバーはこちら)
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今週のラインナップ
1. 「共感力」を測定する新たな方法が見つかる
2. 「孤独感」の原因は世代ごとに異なる
3. 「自殺の兆候」は患者データから予測できる
4. 「精神状態の変化」は音声から分析できる
5. 「うつ病」患者ごとに有効な治療法を予測する
「共感力」を測定する新たな方法が見つかる
研究現場において、他者の気持ちを理解できる能力である「共感力」の評価は、アンケートへの回答を通じて行われます。しかし、重度の精神疾患の人や自閉症の人など、アンケート記入が困難な人の共感力については、正しく評価できていない傾向がありました。
米国・カリフォルニア大学ロサンゼルス校の研究グループは、18歳から35歳までの健康な男女58人に対してfMRIを用いて安静時の脳活動を測定し、共感力評価アンケートへ回答させました。これらのデータを機械学習で分析したところ、安静時の脳の接続性を測定することによって共感力を評価できることを発見しました。
この測定法は、これまで認知機能や言語能力が理由でアンケートに回答できなかった人たちの共感力も正しく評価できることにつながるでしょう。
fMRIはfunctional MRIの略です。MRIでは脳の断面を見ることはできますが、脳の機能(function)を見ることはできませんでした。それを見られるようにしたのがfMRIで、医療現場でも使われています。
例えば、右手を動かしながら特殊な方式でMRIを撮ると、脳の中で右手を動かす運動野と言われる部分を確認することができます。このfMRIを用いて脳腫瘍の手術計画を立てたりすることもあります。
前置きが長くなりましたが、この研究は手の動きではなく、「共感」が脳のどの部分で評価できるかを検討しています。この研究をビジネスに繋げていくには、MRIという機械のハードルを超える必要があります。
MRIを病院で撮られた経験のある方はわかると思いますが、MRIは強い磁場が必要で、大きな部屋に囲まれており、情報を取得するのに20分間くらいかかります。その間患者さんは狭い中でじっとしていないといけません。そのハードルを乗り越えられるとビジネス化に大きく近づくことが期待されます。
ソース:Study finds empathy can be detected in people whose brains are at rest
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