こんにちは。エンジニアライターの小原です。

連載「現場にコミットする機械学習ノート」では、論文を詳しく読み解きながら、現場で使えるAI実装のヒントを記録していきたいと思います。

前回の記事では、「AIで便利にバーチャル試着！」を扱いました。

今回は、スペインのInstitute of New Imaging Technologies (INIT), Universitat Jaume IのD. Iskandaryanらが2020年9月に発表した「サッカーの試合結果への『天候』の影響をAIで調査！」に関する論文を扱っていきます。

もくじ
1章　スポーツ賭博の可能性
2章　天候にサッカーの試合結果は左右される
2.1　研究目的:サッカーの試合結果を予測
2.2　研究手法: 気象データと試合データを組み合わせた
2.3　研究結果:気象データは予測に役立つ

■前回の記事：【vol.35】 AIで便利にバーチャル試着！

1章
スポーツ賭博の可能性

日本ではスポーツベッティング（スポーツ賭博）は禁止されています。
ですが、そんなスポーツベッティングが解禁された場合、サイバーエージェントによると年間売り上げは推定で最大7兆円になるそうです。https://www.cyberagent.co.jp/news/detail/id=25267

大きな市場規模が見込まれるスポーツベッティングですが、日本と異なりスペインやイギリスのような国では禁止されていません。

また、サッカーの人気の高まりに伴いサッカーの試合結果の予測が研究者の関心を集めています。

スペインのD. Iskandaryanらは、天候がサッカーの結果に与える影響を分析しました。

2章
天候にサッカーの試合結果は左右される

まずはD. Iskandaryanらの研究におけるミッション・手法・結果をまとめます。