こんにちは。エンジニアライターの小原です。
連載「現場にコミットする機械学習ノート」では、論文を詳しく読み解きながら、現場で使えるAI実装のヒントを記録していきたいと思います。
前回の記事では、「船舶の種類を音響で分類」を扱いました。
今回は、中国の中国農業大学のG. Zhangらが2020年1月(論文公開日)に発表した「キャベツ苗の欠陥をmaxIOUで識別」に関する論文を扱っていきます。
もくじ
1章 苗欠陥識別タスクの課題
2章 maxIOUによるセグメンテーションと欠陥検出
2.1 研究目的
2.2 研究手法
2.2.1 データ
2.2.2 アルゴリズム
2.2.3 maxIOU法の流れ
2.2.4 閾値設定
2.2.5 欠陥識別
2.2.6 欠陥識別の流れ
2.3 研究結果
2.3.1 maxIOU法の一般化性能の検証結果
2.3.2 欠陥検出の結果
2.3.3 実験結果表
■前回の記事:【vol.13】船舶の種類を音響で分類
1章
苗欠陥識別タスクの課題
精密農業は農業発展のトレンドです。自動移植機の推進は、農業の効率を向上させ、農業生産コストを削減してきました。しかし、苗に欠陥が含まれると移植機の操作効果を著しく低下させてしまいます。よって欠陥苗の自動識別及び補償技術は、機械化された移植苗の合格率を向上させるための重要な工学技術であるといえます。
既存の手法では、構造化されていない移植環境や苗の形態などの好ましくない要因があると、認識精度やアルゴリズム処理時間が生産要求を満たすことが出来ませんでした。欠陥苗識別アルゴリズムの難しさは、非構造化された移植環境の中で大きな違いのある画像から苗を正確にセグメント化し、適切な特徴量で識別することにあるのです。
そこで中国のG. Zhangらは、maxIOUを用いてセグメンテーションを行う手法を試みました。
2章
maxIOUによるセグメンテーションと欠陥検出
まずはG. Zhangらの研究におけるミッション・手法・結果をまとめます。
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