本記事では、科学論文から特許明細書を自動生成するための新しいフレームワークを紹介します。
世界では年間350万件以上の特許が出願されており、その数は増加の一途をたどっています。しかし、特許明細書の作成は簡単ではありません。というのも、科学論文と特許明細書では、求められる書き方がまったく異なるからです。論文は「発見の正しさ」を伝えるために書かれますが、特許は「発明を再現できるか」という法的基準を満たす必要があります。
そのため、単にLLMに論文を渡して「特許風に書き換えて」と頼んでも、法的要件を満たす文書にはなりません。では、この溝をどう埋めればよいのでしょうか。

背景
特許の出願件数は年々増えており、2023年には世界で350万件を超えました。
企業にとって、自社の技術を特許で守ることはとても重要です。
ただ、特許を出すのは簡単ではありません。専門家に頼むと1件で数十万円、場合によっては100万円以上かかります。そのため「AIでなんとかできないか」という期待がずっとありました。
また、研究論文をもとに特許を書くことができたら可能性が広がります。
しかし論文と特許は、そもそも目的が違います。論文は「この発見は正しいですよ」と伝えるもの。一方、特許は「この発明、こうすれば誰でも作れますよ」と示すものです。書き方も構成もまるで違うので、LLMに「論文を特許っぽくして」と頼んでも、うまくいかないことが多いのです。
そこで本記事では、特許の専門家がどうやって文書を組み立てているのか、その思考の流れを再現しようとした研究を紹介します。