MRI画像は、精神科におけるバイオマーカーになりえるか?【AI×メンタルヘルス】(論文解説)

   

この記事は現役の精神科医でありAIの研究者でもあるAsa-jirowが執筆しています。

前回の記事はこちら

https://aiboom.net/archives/48596
重要なお知らせ:AI分野のお仕事マッチングサービス「AIDB HR」を開始しました!登録後はオファーを受け取るだけのシンプルなサービスです!現在、期間限定で、ギフト券が必ずもらえる新規登録キャンペーンも行っています。



今回のテーマは「MRI画像と精神医学」です。

AIに関連する話題としての、最新の科学だと思って聞いてください。

▼今回の記事で参照している論文

著者:Parkes L, Satterthwaite TD, Bassett DS.
タイトル:Towards precise resting-state fMRI biomarkers in psychiatry: synthesizing developments in transdiagnostic research, dimensional models of psychopathology, and normative neurodevelopment.
ジャーナル:Current Opinion in Neurobiology
発表:2020年
URL:DOI

精神科におけるバイオマーカーの不在

医学診断の根拠になりうる生物学的な指標のことをバイオマーカー biomarker と呼びます。身近なところでは血液検査や画像検査が代表的です。たとえば血液検査において血糖やHbA1cの高値だと糖尿病という診断の根拠になりますし、頭部のCTやMRI画像は脳卒中の診断に有用です。これらの検査結果には医師の主観が入り込む余地が相対的に少なく、したがって、客観的かつ生物学的な指標、すなわちバイオマーカーであるといって差し支えありません。

精神科においては、このような信頼できるバイオマーカーがほぼ存在せず、そのことが長年の課題であり続けています。今回は、そうした状況を変えてくれる(かもしれない)研究について紹介したいと思います。

脳の活動状態を可視化する、『fMRI』という検査法

最初に、MRI(magnetic resonance imaging:核磁気共鳴画像法)について簡単に確認しておきたいと思います。

当サイトの利用にはAIDBのアカウントが必要です。
また記事の購読には、アカウント作成後の決済が必要です。



※ログイン/初回登録後、下記ボタンを押してください。

AIDBとは
プレミアム会員(記事の購読)について









■サポートのお願い
AIDBを便利だと思っていただけた方に、任意の金額でサポートしていただけますと幸いです。






Asa-jirow

投稿者の過去記事

精神科医。ゲーム製作会社,法律事務所勤務を経て医師に。AI学会会員。意識のハード・プロブレム,人工人格について考察中。

PAGE TOP