「宗教とAIは、実は同じ仕組みで動いている」と論じる哲学論文が出ています。
メルボルン工科大学の研究者らによる報告です。
共通点は、どちらも「意味を作るシステム」でありながら、中身を誰も全部は理解していないという点。
宗教は、聖典・儀式・制度などに知識が分散していて、一人の頭には収まっていません。それでも誰が設計したわけでもなく、世代を超えて機能し続けます。
AIも同じで、無数のパラメータのどれ一つとして「自分が何をしているか」を知らないのに、全体としては筋の通った答えを出します。
そして両者とも、人々がその出力を「正しいもの」として受け取ることで、社会の物事の解釈や行動を方向づけていく、と研究者らは指摘します。
ただし「AIは宗教だ」という主張ではありません。
宗教の意味は歴史と道徳に根ざしたものであるのに対し、AIの生む意味は統計から出てきたものである、と違いも整理されています。
AIを「意識があるかどうか」ではなく、「社会の意味づけ装置としてどう定着していくか」という視点で捉える枠組みです。