「AIと人間の”摩擦”をあえて残すことで、AIは人間の創造性を引き上げる相棒になる」といった論文がETHチューリッヒから出ています。
逆に、今のAIは基本的に「一発で完成品を出す」方向に進化しており、「有益な面倒くささ」も丸ごと奪ってしまう、という指摘です。
研究者らは面倒くささ(摩擦)を2種類に分けました。
①単純作業の繰り返しのような「無駄な摩擦」はAIが消すべき。
②一方で、制約と向き合って考え込むような「意味のある摩擦」は残すべきだと。
この主張を裏付けるのが専門家にAI設計ツールを使ってもらう実験です。
もしAIの完成品をそのまま受け取るだけなら、最初のアイデアがそのまま形になるはず。
ところが実際は、AIの出力を眺めて「あれ、これおかしいな」と気づく瞬間が何度もあり、全員が途中でより良い案へと方向転換していました。
良いアイデアは最初から頭の中にあるのではなく、作りながら考え直す過程で生まれていた、ということです。
AIの価値は「人間が考え直すきっかけを作ること」にもあるのかもしれません。
なお、今回検証対象になったデザインの仕事。
デザインは本来、制約に悩み、案を比べ、試行錯誤する”面倒くささ”の中からアイデアが生まれるもの。そのため特にこの前提が関係しそうです。
ICML’26ワークショップ採択論文。