100万ドルの懸賞金が掛けられている「P対NP問題(あるいはP≠NP予想)」にLLMを用いた『ソクラテス的推論』で取り組むとの報告がありました。
Microsoftや北京大学などの研究グループによる発表です。
○ Qingxiu Dong et al. Large Language Model for Science: A Study on P vs. NP
「P対NP問題」とは、最適解を見つけることが難しいと思われている「複雑な問題(NP)」が、実は「簡単な問題(P)」なのではないか、つまり、”複雑な問題(NP)も「短時間」で解決できる方法が存在するのではないか”という問題です。
この問題は未解決であり、その解決は多くの分野に影響を与える可能性があります。
例えば暗号学では、P≠NPであると仮定してセキュリティを保証しているため、P=NPであることが証明されれば、現在の多くのセキュリティシステムが壊れる可能性があります。
研究者らはLLMと人間が協力して『ソクラテス的推論』を行うことで、P対NP問題に取り組むことを報告しています。
■ソクラテス的推論とは
① 今回開発された新しいフレームワーク
② 古代ギリシャ哲学者ソクラテスの教えに基づく
③ 批判的思考を刺激することで知識を引き出す
■フレームワーク概要
① 問題を小さな部分に分解
② それぞれの部分を個別に解決
③ それらの解決策を組み合わせる
④ 最終的な解決策を見つける
■プロンプトパターン
下記①〜⑤の組み合わせ
① 直接的な結論を導く
② 問題を同様の問題に変換または抽象化する
③ 問題を管理可能なサブ問題に分解する
④ 結論や他の関係を検証または修正する
⑤複数の結論をまとめて新しい結論を導く
■実験と結果
研究者たちはこのフレームワークを使用してP対NP問題に取り組んでおり、いくつかの新しい洞察を得ています。
① LLMはこの問題に取り組むことができる
② いくつかの新しい洞察がすでに得られた
また、この問題が知識・現実・知能の本質に関わる深い問いを提起する哲学的な側面が示されたとのことです。