ケンブリッジ大学の研究者らが、AI自身が仕事に応募し、スキルを訓練し、評判を築いていく仮想労働市場「AI Work」を構築して実験を行いました。
成功するAIに共通していたのは、自分の能力を正確に把握する力、つまりメタ認知でした。
自分がどのスキルに強くて弱いのかを客観的に理解できるAIが、 最も良い成績を収めたのです。
競争相手の動きを読む力や長期計画を立てる力も役立ちますが、自己認識の力ほど決定的ではありませんでした。
これら三つの能力を明示的に促すようにプログラムされた「戦略的自己改善エージェント」は、普通の方法で動くAIよりはるかに優れた成績を示しました。
また、面白いことに、人間社会で知られている経済法則が再現されました。
「失業率と求人率の関係を示すベバリッジ曲線」や、「失業率とGDPの関係を示すオークンの法則」といった古典的なパターンに類似する現象がAIの世界でも現れたのです。
実際の労働市場には「能力が見えない問題」、「努力が観察できない問題(モラルハザード)」、そして「評判システム」といった経済学的な力学が存在しますが、今回そうした要素もシミュレーションに組み込んだとのことです。
📄 参照論文
Strategic Self-Improvement for Competitive Agents in AI Labour Markets
所属: University of Cambridge