企業間の価格競争や共謀(カルテルなど)を分析することに特化したLLMベースのエージェントが開発されました。
GPT-4を使用した実験の結果、市場のダイナミクスをより理解することに貢献すると結論づけられています。
米フォーダム大学、大阪大学、京都大学、名古屋大学の研究者らによる発表です。
@ Xu Han et al., “”Guinea Pig Trials” Utilizing GPT: A Novel Smart Agent-Based Modeling Approach for Studying Firm Competition and Collusion”
近年、経済が複雑化する中、経営にテクノロジーが介入する必要性が出てきました。
中でも、企業間の競争や共謀を分析するシミュレーションモデルの開発が進められてきましたが、柔軟性に欠けていました。
そこで研究者らはGPT-4を活用して企業をシミュレートするエージェントモデルを開発しました。
■エージェントモデルの役割
① 企業を代表する存在を模倣する
② 他エージェントと相互作用する
③ 人間のように戦略を立てる
④ 価格競争をしたり共謀行動をとる
■LLMベースのエージェントモデルの特徴
① より人間に近い意思決定やコミュニケーションを行う
② 従来の方法に比べてコスト効率が良い
③ よりリアルな市場環境をシミュレート
以下は経済学的な内容を含む実験と結果です。
■実験内容
① 市場で価格を設定するシナリオを模倣
② コミュニケーションの有無が価格競争や共謀形成に与える影響を調査
(ベルトラン競争を基本としたシナリオを設定)
③ 各ラウンドで価格の意思決定を繰り返す
④ 人格の影響も分析
■実験結果
① コミュニケーションができない場合、カルテル価格より低い価格に収束
(暗黙の共謀の発生を示唆)
② コミュニケーションができる場合、カルテル価格に近いレベルに収束
本研究により、LLMベースの仮想実験は、現実の市場におけるダイナミクスを理解する上で新しい視点を得られると結論づけられています。